兵は拙速なるを聞くも、いまだ巧久なるを睹ざるなり(『孫子』)
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二階幹事長が動いて麻生財務相を追い落とそうとしているのでしょうが。
自民党としては財務省に罪をひっかぶせて、党と首相は護ろうとしているのでしょうが。
もとは安倍首相のおともだちへ融通をきかせたのが始まりですから、
「忖度」だとしても首相、そしてやはり党へのダメージは不可避というところでしょうか。
うそにうそを重ねたとすれば財務省の劣化も著しいのですが、
外務省の劣化もこれに劣りません。
米朝首脳会談実現となれば、イスラエルとPLOが握手したオスロ合意(1993年)に
匹敵するくらいのインパクトでしょうが、日本ははしごを外された格好で、
あわててトランプ大統領に泣きついてみても、手遅れかもしれません。
外務省もこのような展開を想定して手を打っておくべきでしょうが。
もしかしたら、アメリカのくびきから離れる機会が訪れたのかもしれません。
日米地位協定や安保条約は捨てられないのでしょうが。
ロシアと中国で皇帝が誕生し、日本でも上皇が誕生する、
瑞祥が出現するはず、中世に戻ったのか、
などというツイートも見かけたような気がしますが、
朝鮮半島が北主導の連邦制という形で統一されるとなると
(すでに南の大統領は北の傀儡といっていい状態ですが)、
これまたいつの時代以来かと思ったりして。
北朝鮮に手を出そうものなら、舎弟を守るべくトランプ大統領が
出てくるなんてことになるかもしれませんし、
北朝鮮と中国が疎遠になると、対ロシアを名目に、
北朝鮮にTHHADが配備されるなんてこともあったりして。
日本は自分の立ち位置を考えられるのか、
そもそも自分で考えられる地位につけるのか・・・、
自民党としては財務省に罪をひっかぶせて、党と首相は護ろうとしているのでしょうが。
もとは安倍首相のおともだちへ融通をきかせたのが始まりですから、
「忖度」だとしても首相、そしてやはり党へのダメージは不可避というところでしょうか。
うそにうそを重ねたとすれば財務省の劣化も著しいのですが、
外務省の劣化もこれに劣りません。
米朝首脳会談実現となれば、イスラエルとPLOが握手したオスロ合意(1993年)に
匹敵するくらいのインパクトでしょうが、日本ははしごを外された格好で、
あわててトランプ大統領に泣きついてみても、手遅れかもしれません。
外務省もこのような展開を想定して手を打っておくべきでしょうが。
もしかしたら、アメリカのくびきから離れる機会が訪れたのかもしれません。
日米地位協定や安保条約は捨てられないのでしょうが。
ロシアと中国で皇帝が誕生し、日本でも上皇が誕生する、
瑞祥が出現するはず、中世に戻ったのか、
などというツイートも見かけたような気がしますが、
朝鮮半島が北主導の連邦制という形で統一されるとなると
(すでに南の大統領は北の傀儡といっていい状態ですが)、
これまたいつの時代以来かと思ったりして。
北朝鮮に手を出そうものなら、舎弟を守るべくトランプ大統領が
出てくるなんてことになるかもしれませんし、
北朝鮮と中国が疎遠になると、対ロシアを名目に、
北朝鮮にTHHADが配備されるなんてこともあったりして。
日本は自分の立ち位置を考えられるのか、
そもそも自分で考えられる地位につけるのか・・・、
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グラブルはほぼ引退に成功。読書量も順調に増えています。
試験前の現実逃避かもしれませんが…。
2月の読書メーター
読んだ本の数:8
読んだページ数:1561
ナイス数:111
「敏感すぎる自分」を好きになれる本の感想
何事にも敏感に反応しすぎてしまう「HSP(Highly Sensitive Person=非常に敏感な人々)」。私も光や音には敏感で、HSPのチェックリストにもほとんど当てはまってしまいました。具体的な対処法もたくさん書かれていますが、すでにある程度実践していることもあって、自分にはそれほど参考にならなかったかも。スピリチュアルというか、心の持ちようと言ってしまうとそれまでですが、敏感で生きづらさを感じている人、あるいは親や教師としてHSPの子どもに接する人への導入としてはいいのではないでしょうか。
読了日:02月28日 著者:長沼 睦雄
週刊東洋経済 2018年2月17日号 [雑誌](ゼネコン 絶頂の裏側/適温経済は終わるのか)の感想
経済を見る眼:「官邸主導」の歪みを正すには■第1特集はゼネコン絶頂の裏側。建設業界は大学の頃から栄枯盛衰を見てきましたが、いまの宴もいつまで続くのか■フォーカス政治:安倍首相の「明治レジーム」への警戒、歴史修正主義■BOOKS&TRENDS:更科功『絶滅の人類史』、マルク・レヴィンソン『例外時代 高度成長はいかに特殊であったのか』、小田健『ロシア近現代と国際関係』など■緊急特集「適温経済」は終わるのか。「適温経済」という言葉が聞かれるようになってからでは終焉も近い■平成経済の証言:宮澤喜一への痛烈な批判
読了日:02月25日 著者:
週刊ダイヤモンド 2018年 2/24 号 [雑誌]の感想
診療報酬改定。「7対1病床」は先日勉強したところ■特集1儲かる農業の第3弾。毎回買っていますが早く脱サラしたいので情報収集■「カラダご意見番」今年の花粉飛散量予想「日本気象協会vsウェザーニューズ」どちらが当たる?(今年は多そう)■「大人のための最先端理科」は生命科学。長寿遺伝子のエピゲノム調節。さっぱりわからず■「シャッターがなくなる日」新連載なので読んでみる■特集2公取委の逆襲。どこへ向かうのか■野口悠紀雄先生の超整理日記は平均値からの脱却。保険の例はわかりやすい■説教くさい文章の長い広告が増えた気が
読了日:02月20日 著者:
11人いる! (小学館文庫)の感想
1975年の雑誌連載とは驚き。しかもSF(+ミステリ要素)。さすがに40年もたつとセリフに少し違和感がありますか■『宇宙兄弟』でも見た閉鎖空間でのストレス耐性テスト。10人いるはずが「11人いる!」のですが、誰が11人目かを追及することはそれほど引っ張らず、反目や協調が描かれていきます■「続・11人いる!」の方が長くストーリーも込み入っています(登場人物が多く、絵柄のせいもあるのかややわかりづらい)■多くの方が書いているように、奔放なフロルはかわいい
読了日:02月17日 著者:萩尾 望都
「昭和」という国家 (NHKブックス)の感想
『この国のかたち』『「明治」という国家』と来てここで一区切り■巻末の田中彰氏の感想がよいまとめです■TV番組を基に編集されていますが、栗田博行氏の制作余話にもあるように「座談の名手」でもさすがに歯切れがよくありません。思索のきっかけとなったノモンハン事件を書きたかったけれども書けなかった■あるいは、「魔法の森」と書いていますが、明治の人々が創った近代国家を非常に短期間で潰してしまったのはなぜか、戦後四十年考えてもはっきりとわからない■個別の話を書く余白はありませんが、日比谷焼打事件が転換点との見方は同じ
読了日:02月13日 著者:司馬 遼太郎
漫画 君たちはどう生きるかの感想
家にあったので読んでみました。原作は1937年なので80年前、日中戦争勃発の年■本書はすでに100万部を超えたベストセラーになっており、読メでは「大人が買って感銘を受け、子どもにも読ませたい」との感想も目立ちます■言い回しや単語に古いものもあって、中学生くらいでは少し難しいかもしれませんが、細かいところは措いて、時代、年代を問わず普遍的なテーマを扱っているのでしょう■「自分で自分を決定する力をもっている」、自分で良い方向に努力できるということ■労働や進歩についての言及からは左っぽいにおいはします
読了日:02月04日 著者:吉野源三郎
「明治」という国家〔下〕 (NHKブックス)の感想
「明治憲法は上からの憲法だといいますが(中略)、下からの盛りあがりが、太政官政権を土俵ぎわまで押しつけてできあがったものというべき」であって、国会開設の勅諭(欽定憲法を定めることを含む)も自由民権運動の高まりがあってのものでした■第一章に「明治は、リアリズムの時代でした。それも、透きとおった、格調の高い精神でささえられたリアリズム」とありますが、リアリズムを失った昭和前期の日本は国を滅ぼすに至ります。そしてまた現代も国家だけでなく、会社組織をはじめ、至る所でリアリズムが失われ進むべき道を見失っているのでは
読了日:02月01日 著者:司馬 遼太郎
「明治」という国家〔上〕 (NHKブックス)の感想
上下巻一体となった電子書籍の愛蔵版を読了しましたが、感想は分けて書きます■司馬遼太郎の見方としては、江戸期の蓄積もあっての明治の開花、しかし明治末期には変質して昭和に至って国を滅ぼしてしまう、というのがあるのでしょう■小栗上野介(忠順)の再評価、それから勝海舟。勝はクセがありますしホラも吹きますが幕末を語るには外せません。福沢諭吉と木村摂津守(喜毅)はともに咸臨丸で渡米しましたが、身分も年齢も上である木村が福沢の識見を認めて「先生」と呼んで敬った話は何か微笑ましいものを感じます■西郷についてはコメントで
読了日:02月01日 著者:司馬 遼太郎
読書メーター
試験前の現実逃避かもしれませんが…。
2月の読書メーター
読んだ本の数:8
読んだページ数:1561
ナイス数:111

何事にも敏感に反応しすぎてしまう「HSP(Highly Sensitive Person=非常に敏感な人々)」。私も光や音には敏感で、HSPのチェックリストにもほとんど当てはまってしまいました。具体的な対処法もたくさん書かれていますが、すでにある程度実践していることもあって、自分にはそれほど参考にならなかったかも。スピリチュアルというか、心の持ちようと言ってしまうとそれまでですが、敏感で生きづらさを感じている人、あるいは親や教師としてHSPの子どもに接する人への導入としてはいいのではないでしょうか。
読了日:02月28日 著者:長沼 睦雄
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経済を見る眼:「官邸主導」の歪みを正すには■第1特集はゼネコン絶頂の裏側。建設業界は大学の頃から栄枯盛衰を見てきましたが、いまの宴もいつまで続くのか■フォーカス政治:安倍首相の「明治レジーム」への警戒、歴史修正主義■BOOKS&TRENDS:更科功『絶滅の人類史』、マルク・レヴィンソン『例外時代 高度成長はいかに特殊であったのか』、小田健『ロシア近現代と国際関係』など■緊急特集「適温経済」は終わるのか。「適温経済」という言葉が聞かれるようになってからでは終焉も近い■平成経済の証言:宮澤喜一への痛烈な批判
読了日:02月25日 著者:
![週刊ダイヤモンド 2018年 2/24 号 [雑誌]](https://img.bookmeter.com/book_image/SL75/0/0.png)
診療報酬改定。「7対1病床」は先日勉強したところ■特集1儲かる農業の第3弾。毎回買っていますが早く脱サラしたいので情報収集■「カラダご意見番」今年の花粉飛散量予想「日本気象協会vsウェザーニューズ」どちらが当たる?(今年は多そう)■「大人のための最先端理科」は生命科学。長寿遺伝子のエピゲノム調節。さっぱりわからず■「シャッターがなくなる日」新連載なので読んでみる■特集2公取委の逆襲。どこへ向かうのか■野口悠紀雄先生の超整理日記は平均値からの脱却。保険の例はわかりやすい■説教くさい文章の長い広告が増えた気が
読了日:02月20日 著者:

1975年の雑誌連載とは驚き。しかもSF(+ミステリ要素)。さすがに40年もたつとセリフに少し違和感がありますか■『宇宙兄弟』でも見た閉鎖空間でのストレス耐性テスト。10人いるはずが「11人いる!」のですが、誰が11人目かを追及することはそれほど引っ張らず、反目や協調が描かれていきます■「続・11人いる!」の方が長くストーリーも込み入っています(登場人物が多く、絵柄のせいもあるのかややわかりづらい)■多くの方が書いているように、奔放なフロルはかわいい
読了日:02月17日 著者:萩尾 望都

『この国のかたち』『「明治」という国家』と来てここで一区切り■巻末の田中彰氏の感想がよいまとめです■TV番組を基に編集されていますが、栗田博行氏の制作余話にもあるように「座談の名手」でもさすがに歯切れがよくありません。思索のきっかけとなったノモンハン事件を書きたかったけれども書けなかった■あるいは、「魔法の森」と書いていますが、明治の人々が創った近代国家を非常に短期間で潰してしまったのはなぜか、戦後四十年考えてもはっきりとわからない■個別の話を書く余白はありませんが、日比谷焼打事件が転換点との見方は同じ
読了日:02月13日 著者:司馬 遼太郎

家にあったので読んでみました。原作は1937年なので80年前、日中戦争勃発の年■本書はすでに100万部を超えたベストセラーになっており、読メでは「大人が買って感銘を受け、子どもにも読ませたい」との感想も目立ちます■言い回しや単語に古いものもあって、中学生くらいでは少し難しいかもしれませんが、細かいところは措いて、時代、年代を問わず普遍的なテーマを扱っているのでしょう■「自分で自分を決定する力をもっている」、自分で良い方向に努力できるということ■労働や進歩についての言及からは左っぽいにおいはします
読了日:02月04日 著者:吉野源三郎

「明治憲法は上からの憲法だといいますが(中略)、下からの盛りあがりが、太政官政権を土俵ぎわまで押しつけてできあがったものというべき」であって、国会開設の勅諭(欽定憲法を定めることを含む)も自由民権運動の高まりがあってのものでした■第一章に「明治は、リアリズムの時代でした。それも、透きとおった、格調の高い精神でささえられたリアリズム」とありますが、リアリズムを失った昭和前期の日本は国を滅ぼすに至ります。そしてまた現代も国家だけでなく、会社組織をはじめ、至る所でリアリズムが失われ進むべき道を見失っているのでは
読了日:02月01日 著者:司馬 遼太郎

上下巻一体となった電子書籍の愛蔵版を読了しましたが、感想は分けて書きます■司馬遼太郎の見方としては、江戸期の蓄積もあっての明治の開花、しかし明治末期には変質して昭和に至って国を滅ぼしてしまう、というのがあるのでしょう■小栗上野介(忠順)の再評価、それから勝海舟。勝はクセがありますしホラも吹きますが幕末を語るには外せません。福沢諭吉と木村摂津守(喜毅)はともに咸臨丸で渡米しましたが、身分も年齢も上である木村が福沢の識見を認めて「先生」と呼んで敬った話は何か微笑ましいものを感じます■西郷についてはコメントで
読了日:02月01日 著者:司馬 遼太郎
読書メーター
1月の読書メーター
読んだ本の数:5
読んだページ数:1301
ナイス数:114
サーチライトと誘蛾灯 (ミステリ・フロンティア)の感想
東京創元社が主催する「ミステリーズ!新人賞」を受賞した表題作を含む5編の短編集。作者紹介に「軽妙な語り口と緻密な構成が光る」とあるとおり、とぼけた会話の後ろに昆虫や植物に対する深い造詣がうかがえ、視覚や聴覚、嗅覚など五感を研ぎ澄ませながら読み進めましたが、最後の最後で反転して謎が解き明かされるのがクセになります。個人的には手探りで読み始めた表題作が好きですが、印象的なのは『火事と標本』かな。
読了日:01月29日 著者:櫻田 智也
『ふしぎなキリスト教』と対話するの感想
2年ほどかけて読了。新約以降でも2000年以上あるキリスト教の宗教だけに留まらない歴史や哲学、知の蓄積はノン・クリスチャンにも得るものがあります。神と人の「契約」の意味するところ、神義論(全知全能の神が創造したのに世界はどうして不完全なのか、悲劇が起こるのか)、贖罪論(キリストが死んだらなぜ人類の罪が贖われるのか、whyではなくhow)のほか、プロテスタンティズムと資本主義の関係についても丁寧に解説しています(マックス・ヴェーバーに無批判でないのは印象的)。司馬遼太郎『「明治」という国家』にもつながる話。
読了日:01月21日 著者:来住英俊
「司馬遼太郎」で学ぶ日本史 (NHK出版新書 517)の感想
これは良いガイド本。先に『この国のかたち』を読んでおくことを強くお勧めします(六巻あるが読みやすい)。本書では歴史文学を大きく三つに分け、史実に近い順から史伝文学、歴史小説、時代小説としています。司馬作品はほとんどが歴史小説ですが、『坂の上の雲』は史伝文学に近いとします。史伝とは虚構を極力排し考証を交えた伝記ですが、司馬作品も「あくまでも文学であって、歴史そのものではない」のですから、司馬作品を「事実と違う」と批判する人たちはそもそも筋が違うのです(それだけ影響力が大きいことの裏返しではありますが)
読了日:01月09日 著者:磯田 道史
日本は本当に戦争する国になるのか? (SB新書)の感想
15年12月初版第1版、16年1月第3刷。個人的には安保法制整備は必要(これは安全保障論議)、集団的自衛権は違憲(これは憲法論議)の立場ですが、安保法案成立に至る安倍政権の対応は、内閣法制局長官を替えて憲法解釈を変えたり、存立危機事態の代表例にあり得ない話(日本人母子を乗せた米艦防護、ホルムズ海峡の機雷封鎖)を出したり、必要なことなら正々堂々やればいいのに、姑息な部分が目立ちました。それ以前の話として、日本国憲法の上に日米安保条約があり、日本は米国の言いなりであって、これは現代における治外法権でしょう。
読了日:01月08日 著者:池上 彰
この国のかたち〈6〉 (文春文庫)の感想
最後の1頁だけ残していましたが本日読了。終わってしまいました。「歴史のなかの海軍」にあるように海軍を創った山本権兵衛はもっと評価されてよいのでは(これも一周して司馬遼太郎から出たものでしょうか)。軍縮を進めた浜口雄幸が狙撃されたところまでで絶筆(誰か続きを書いてもらえませんか)。あとは随想集が続きます。「言語についての感想」は興味深い。たしかに誰かが先頭に立って書き、それが読まれないと型としての文章はなかなかできてこないのでしょう。
読了日:01月04日 著者:司馬 遼太郎
読書メーター
読んだ本の数:5
読んだページ数:1301
ナイス数:114

東京創元社が主催する「ミステリーズ!新人賞」を受賞した表題作を含む5編の短編集。作者紹介に「軽妙な語り口と緻密な構成が光る」とあるとおり、とぼけた会話の後ろに昆虫や植物に対する深い造詣がうかがえ、視覚や聴覚、嗅覚など五感を研ぎ澄ませながら読み進めましたが、最後の最後で反転して謎が解き明かされるのがクセになります。個人的には手探りで読み始めた表題作が好きですが、印象的なのは『火事と標本』かな。
読了日:01月29日 著者:櫻田 智也

2年ほどかけて読了。新約以降でも2000年以上あるキリスト教の宗教だけに留まらない歴史や哲学、知の蓄積はノン・クリスチャンにも得るものがあります。神と人の「契約」の意味するところ、神義論(全知全能の神が創造したのに世界はどうして不完全なのか、悲劇が起こるのか)、贖罪論(キリストが死んだらなぜ人類の罪が贖われるのか、whyではなくhow)のほか、プロテスタンティズムと資本主義の関係についても丁寧に解説しています(マックス・ヴェーバーに無批判でないのは印象的)。司馬遼太郎『「明治」という国家』にもつながる話。
読了日:01月21日 著者:来住英俊

これは良いガイド本。先に『この国のかたち』を読んでおくことを強くお勧めします(六巻あるが読みやすい)。本書では歴史文学を大きく三つに分け、史実に近い順から史伝文学、歴史小説、時代小説としています。司馬作品はほとんどが歴史小説ですが、『坂の上の雲』は史伝文学に近いとします。史伝とは虚構を極力排し考証を交えた伝記ですが、司馬作品も「あくまでも文学であって、歴史そのものではない」のですから、司馬作品を「事実と違う」と批判する人たちはそもそも筋が違うのです(それだけ影響力が大きいことの裏返しではありますが)
読了日:01月09日 著者:磯田 道史

15年12月初版第1版、16年1月第3刷。個人的には安保法制整備は必要(これは安全保障論議)、集団的自衛権は違憲(これは憲法論議)の立場ですが、安保法案成立に至る安倍政権の対応は、内閣法制局長官を替えて憲法解釈を変えたり、存立危機事態の代表例にあり得ない話(日本人母子を乗せた米艦防護、ホルムズ海峡の機雷封鎖)を出したり、必要なことなら正々堂々やればいいのに、姑息な部分が目立ちました。それ以前の話として、日本国憲法の上に日米安保条約があり、日本は米国の言いなりであって、これは現代における治外法権でしょう。
読了日:01月08日 著者:池上 彰

最後の1頁だけ残していましたが本日読了。終わってしまいました。「歴史のなかの海軍」にあるように海軍を創った山本権兵衛はもっと評価されてよいのでは(これも一周して司馬遼太郎から出たものでしょうか)。軍縮を進めた浜口雄幸が狙撃されたところまでで絶筆(誰か続きを書いてもらえませんか)。あとは随想集が続きます。「言語についての感想」は興味深い。たしかに誰かが先頭に立って書き、それが読まれないと型としての文章はなかなかできてこないのでしょう。
読了日:01月04日 著者:司馬 遼太郎
読書メーター
明けましておめでとうございます。
と言いながら、先月の読書メーターから。
学生時代、司馬遼太郎はよく読みましたが、しばらく遠ざかり、
社会人になってから、『坂の上の雲』で少し戻った感じでしょうか。
その後は、新書などの研究書などを中心に読んできましたが、
また『この国のかたち』で司馬遼太郎に戻ってきました。
12月の読書メーター
読んだ本の数:7
読んだページ数:1831
ナイス数:122
この国のかたち〈5〉 (文春文庫)の感想
神道に始まり、そこから八幡神ときて武家政権のリアリズムに至る(一方、元寇を見ても朝廷は逆でありその遺伝子は昭和にも受け継がれる)。鉄の話から、実用を超えた無用に近いばかりの精度(技術)が西欧の機械文明の受け皿になったとの話(一方、現代日本においてこれをどうとらえるべきか)■「昭和初年から太平洋戦争の終了までの日本は、ながい日本史のなかで、過去とは不連続な、異端な時代だった」「明治人がもっていた職人的な合理主義は、昭和の指導者たちには皆目なかったように思えます」■松陰と品川弥二郎、龍馬と中江兆民の挿話は素敵
読了日:12月27日 著者:司馬 遼太郎
この国のかたち〈4〉 (文春文庫)の感想
「『この国のかたち』は、主として柔和のほうに触れ、”別国”のほうには、わずかにふれただけだった。しかしながらわずか十数年の”別国”のほうが、日本そのものであるかのようにして内外で印象づけられている」■巻末には口述をもとに加筆した「日本人の二十世紀」が収められており、2巻や3巻の感想でも触れた、一連の随筆の根幹がまとめられています。「時代ごとの形質をあつかいつつも、時代を越えて変らぬものはないかという、不易の、あるいは本質に近いものをさぐりたいと思って書いている」■個別では統帥権、新井白石の父の話が興味深い
読了日:12月22日 著者:司馬 遼太郎
アジャストメント―ディック短篇傑作選 (ハヤカワ文庫 SF テ 1-20)の感想
2011年の映画「アジャストメント」公開に合わせた短篇傑作選。中心は50~60年代の作品。『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』『高い城の男』同様に現実と虚構、オリジナルとコピーの関係がテーマの話が多い。表題作と次の「ルーグ」はさっぱりだが、「ウーブ身重く横たわる」から面白くなり、「にせもの」「くずれてしまえ」「おお! ブローベルとなりて」「ぶざまなオルフェウス」「父祖の信仰」「電気蟻」あたりは秀逸。「凍った旅」ではいま読んでいる部分が夢なのか、夢から覚めてもまた夢なのか、わからなくなる不安な感覚がよい。
読了日:12月17日 著者:フィリップ・K・ディック
この国のかたち〈3〉 (文春文庫)の感想
室町や江戸、あるいはそれ以前から続いてきた日本人の特性、本質は敗戦前の数年間で失われてしまい、しかもその数年間が戦後の日本人の意識に強く、しかもネガティブに(あえて「自虐的」という言葉は使わない)影響し続けている、そこであらためて戦争以前の日本を振り返る■福沢諭吉の「脱亜論」、「日本人の空論好きは宋学からきているという」あたりは最近の井沢元彦も書いていた話か■一章は四百字詰めの原稿用紙十枚と短く、書きたいことすべては書けないので「読み手のゆたかな想像力にまちたい」とのこと。力み過ぎず咀嚼していきたい。
読了日:12月15日 著者:司馬 遼太郎
この国のかたち〈2〉 (文春文庫)の感想
とりとめなく綴られていますが、日本だけでなく中韓、時に欧州まで(ザヴィエル城まで)、そして時代も時に縄文や弥生まで遡ります。まさに縦横無尽、自由自在の筆致は羨むばかりです。いわゆる「司馬史観」に批判的な向きもありますが、これだけの知識や経験、想像力に裏打ちされた史観はそう簡単に退けるべきものではないと感じます。その作者がこの一連の随筆で何を伝えたかったのか。急逝により連載が終了してしまったことは知っていますが、各章を楽しみながら、全体としてそのようなことを考えながら読み進めています。
読了日:12月11日 著者:司馬 遼太郎
この国のかたち〈1〉 (文春文庫)の感想
Kindle版で読了。単行本は90年3月、30年近く前の刊行ですが根本の部分は色褪せないように思います。■日本には仏教や儒教、カトリックのような普遍的思想はなかったのかもしれませんが、「和」の思想があって外から来た思想は包摂されてしまうのでは。■朱子学の害毒や統帥権、ブッダの教えから乖離した仏教などは、井沢元彦『逆説の日本史』シリーズを読んでいると、ここが原型かなと思ったり。■西郷隆盛とその周辺、山県有朋の評価などは首肯しながら読みました。歴史小説は多く読んだので、どこかで触れて血肉となっていたのかも。
読了日:12月05日 著者:司馬 遼太郎
歴史群像 2017年 12 月号 [雑誌]の感想
桐野作人氏の「龍馬暗殺の真実」と山上至人氏の「激震!シャクシャインの戦い」の冒頭以外は流し読み。坂本龍馬という人物、個人としては魅力的な人物ではあるのですが、幕末の政治における地位、活躍という点については疑問視しておりまして、薩摩のエージェント、代理人に過ぎず、薩長同盟や船中八策も龍馬自身のオリジナルではないと考えています(寺さんには申し訳ない!)。暗殺も武力倒幕派の薩摩が黒幕で、大政奉還(公議政体)派の龍馬が目障りになったのではと思っていましたが、今回の特集で薩摩黒幕説は虚妄と認識しました。
読了日:12月04日 著者:
読書メーター
と言いながら、先月の読書メーターから。
学生時代、司馬遼太郎はよく読みましたが、しばらく遠ざかり、
社会人になってから、『坂の上の雲』で少し戻った感じでしょうか。
その後は、新書などの研究書などを中心に読んできましたが、
また『この国のかたち』で司馬遼太郎に戻ってきました。
12月の読書メーター
読んだ本の数:7
読んだページ数:1831
ナイス数:122

神道に始まり、そこから八幡神ときて武家政権のリアリズムに至る(一方、元寇を見ても朝廷は逆でありその遺伝子は昭和にも受け継がれる)。鉄の話から、実用を超えた無用に近いばかりの精度(技術)が西欧の機械文明の受け皿になったとの話(一方、現代日本においてこれをどうとらえるべきか)■「昭和初年から太平洋戦争の終了までの日本は、ながい日本史のなかで、過去とは不連続な、異端な時代だった」「明治人がもっていた職人的な合理主義は、昭和の指導者たちには皆目なかったように思えます」■松陰と品川弥二郎、龍馬と中江兆民の挿話は素敵
読了日:12月27日 著者:司馬 遼太郎

「『この国のかたち』は、主として柔和のほうに触れ、”別国”のほうには、わずかにふれただけだった。しかしながらわずか十数年の”別国”のほうが、日本そのものであるかのようにして内外で印象づけられている」■巻末には口述をもとに加筆した「日本人の二十世紀」が収められており、2巻や3巻の感想でも触れた、一連の随筆の根幹がまとめられています。「時代ごとの形質をあつかいつつも、時代を越えて変らぬものはないかという、不易の、あるいは本質に近いものをさぐりたいと思って書いている」■個別では統帥権、新井白石の父の話が興味深い
読了日:12月22日 著者:司馬 遼太郎

2011年の映画「アジャストメント」公開に合わせた短篇傑作選。中心は50~60年代の作品。『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』『高い城の男』同様に現実と虚構、オリジナルとコピーの関係がテーマの話が多い。表題作と次の「ルーグ」はさっぱりだが、「ウーブ身重く横たわる」から面白くなり、「にせもの」「くずれてしまえ」「おお! ブローベルとなりて」「ぶざまなオルフェウス」「父祖の信仰」「電気蟻」あたりは秀逸。「凍った旅」ではいま読んでいる部分が夢なのか、夢から覚めてもまた夢なのか、わからなくなる不安な感覚がよい。
読了日:12月17日 著者:フィリップ・K・ディック

室町や江戸、あるいはそれ以前から続いてきた日本人の特性、本質は敗戦前の数年間で失われてしまい、しかもその数年間が戦後の日本人の意識に強く、しかもネガティブに(あえて「自虐的」という言葉は使わない)影響し続けている、そこであらためて戦争以前の日本を振り返る■福沢諭吉の「脱亜論」、「日本人の空論好きは宋学からきているという」あたりは最近の井沢元彦も書いていた話か■一章は四百字詰めの原稿用紙十枚と短く、書きたいことすべては書けないので「読み手のゆたかな想像力にまちたい」とのこと。力み過ぎず咀嚼していきたい。
読了日:12月15日 著者:司馬 遼太郎

とりとめなく綴られていますが、日本だけでなく中韓、時に欧州まで(ザヴィエル城まで)、そして時代も時に縄文や弥生まで遡ります。まさに縦横無尽、自由自在の筆致は羨むばかりです。いわゆる「司馬史観」に批判的な向きもありますが、これだけの知識や経験、想像力に裏打ちされた史観はそう簡単に退けるべきものではないと感じます。その作者がこの一連の随筆で何を伝えたかったのか。急逝により連載が終了してしまったことは知っていますが、各章を楽しみながら、全体としてそのようなことを考えながら読み進めています。
読了日:12月11日 著者:司馬 遼太郎

Kindle版で読了。単行本は90年3月、30年近く前の刊行ですが根本の部分は色褪せないように思います。■日本には仏教や儒教、カトリックのような普遍的思想はなかったのかもしれませんが、「和」の思想があって外から来た思想は包摂されてしまうのでは。■朱子学の害毒や統帥権、ブッダの教えから乖離した仏教などは、井沢元彦『逆説の日本史』シリーズを読んでいると、ここが原型かなと思ったり。■西郷隆盛とその周辺、山県有朋の評価などは首肯しながら読みました。歴史小説は多く読んだので、どこかで触れて血肉となっていたのかも。
読了日:12月05日 著者:司馬 遼太郎
![歴史群像 2017年 12 月号 [雑誌]](https://images-na.ssl-images-amazon.com/images/I/51u5jLtxD6L._SL75_.jpg)
桐野作人氏の「龍馬暗殺の真実」と山上至人氏の「激震!シャクシャインの戦い」の冒頭以外は流し読み。坂本龍馬という人物、個人としては魅力的な人物ではあるのですが、幕末の政治における地位、活躍という点については疑問視しておりまして、薩摩のエージェント、代理人に過ぎず、薩長同盟や船中八策も龍馬自身のオリジナルではないと考えています(寺さんには申し訳ない!)。暗殺も武力倒幕派の薩摩が黒幕で、大政奉還(公議政体)派の龍馬が目障りになったのではと思っていましたが、今回の特集で薩摩黒幕説は虚妄と認識しました。
読了日:12月04日 著者:
読書メーター
前に「はらはらと涙を流す」ということについて書きましたが、
悲しいことだけに涙を流すわけではなく、
スポーツで感動したり、どうしようもない寂しさを感じたりしたときにも
はらはらと、そしてとめどなく涙するのです。
とはいえ、年齢とともに涙腺はゆるくなる一方で、はらはらと涙することは
少なくなったと感じることも多くなりました。
そんなときにふと、いきつけの居酒屋、小料理屋といった方が正確でしょうか、
年内で店を閉めるということで、先日最後のお別れをしてきましたが、
この料理、お酒、いや、この味、この人たち、この場所、
そしてこの時間を共有することはできないのだろうと思うと、
死別するわけではないけれども、胸を締め付けられるというか、
何とも言えず寂しさを感じたものでした。
何気ないことで、普段は思わないことなのですが、
いま生きて会えるということは大事にしなければね。
悲しいことだけに涙を流すわけではなく、
スポーツで感動したり、どうしようもない寂しさを感じたりしたときにも
はらはらと、そしてとめどなく涙するのです。
とはいえ、年齢とともに涙腺はゆるくなる一方で、はらはらと涙することは
少なくなったと感じることも多くなりました。
そんなときにふと、いきつけの居酒屋、小料理屋といった方が正確でしょうか、
年内で店を閉めるということで、先日最後のお別れをしてきましたが、
この料理、お酒、いや、この味、この人たち、この場所、
そしてこの時間を共有することはできないのだろうと思うと、
死別するわけではないけれども、胸を締め付けられるというか、
何とも言えず寂しさを感じたものでした。
何気ないことで、普段は思わないことなのですが、
いま生きて会えるということは大事にしなければね。