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兵は拙速なるを聞くも、いまだ巧久なるを睹ざるなり(『孫子』)
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11月の読書メーター
読んだ本の数:5
読んだページ数:2096
ナイス数:112

司馬さんに嫌われた乃木、伊地知両将軍の無念を晴らす司馬さんに嫌われた乃木、伊地知両将軍の無念を晴らす感想
16年。右の人向け(高木書房も)。買ってまで読む価値なし(内容の割に高いし)。ノモンハンを日本の勝利というような妄言にはついていけない。現地を見に行って、図版も豊富なのは評価できるが、旅順攻囲戦を扱った文献として注目されないのもバイアスのせいだろう(わざわざ中国を「シナ」と書かずともよかろうに)。前半は先行研究の焼き回しで、叩きやすい『坂の上の雲』を叩いて後半が本音。結局、司馬遼太郎の功罪は「小説」なのに「史実」であるかのように流布しているところにあって、エンターテイメントとして割り切りが必要。『坂の上の雲』は小説というよりは史実寄りの作品だが、それでも後出しの史料で司馬の人格まで攻撃しようというのは公平ではなかろう。なお、長南政義氏の書籍は『日露戦争第三軍関係史料集』であって「資料集」ではない。
読了日:11月24日 著者:西村 正

変種第二号 (ハヤカワ文庫 SF テ 1-24)変種第二号 (ハヤカワ文庫 SF テ 1-24)感想
14年、主に戦争を扱った短篇集だがやや長めの作品もあり。ほぼ1950年代の作品で冷戦の影響を強く受け、人間対人間や人間対機械の戦争、戦争後の荒廃した世界が描かれる。最初の「たそがれの朝食」から唸らされる。平和な家庭がいきなり核戦争の世界に放り込まれるのだ。中盤以降の「火星潜入」「歴戦の勇士」「奉仕するもの」「ジョンの世界」と秀作ぞろい。表題作の「変種第二号」(別の邦題は「人間狩り」)は1996年に「スクリーマーズ」として映画化されたが、誰が人間なのか、誰が人間でないのか、疑念が疑念を呼ぶ展開で、アイデンティティを問うテーマの多いディックの作品の中でも出色。
読了日:11月17日 著者:フィリップ・K・ディック

日本を救う未来の農業 (ちくま新書)日本を救う未来の農業 (ちくま新書)感想
19年。日本の農業は滅びるか世界トップクラスになるかの分岐点にある。本書で繰り返し述べられているが、日本農業の問題は単位当たりの収量(生産量)が低いこと、それにより農産物の価格が高くなり国際競争力を失っていること。日本の農産物は安くもないし農薬漬けということでは安全でもない。これまで鎖国と補助金で守られてきたが、TPPやアメリカとのEPA(日米貿易協定)といった外圧で国からの手厚い保護はなくなっていき、海外からは安くて安全な農産物が続々と入ってくる。どうすればいいのかをイスラエル式農業に見る。単なる提案だけではなく実践しているのが本書のよいところ。日本の農業は1970年代と同じ栽培方法を続け、50年間収量が伸びていない。ナスの1haあたりの生産量でオランダは日本の15倍だというから驚く。実は農業大国であるイスラエル式農業に学んでドリップ灌漑にセンサーやAIなどが加われば農業の形、農業に対する価値観自体が変わる。ドリップ灌漑での収穫はどうなるのか、日本のような天災の多い国でドリップ灌漑の設備等を大規模に導入するのはどうかと思うが、設備投資が不可欠な自動車産業を見ると世界で戦っているし(将来はともかく)、本書にもあるように究極的には日本国内で農産物を作る必要はない。
読了日:11月16日 著者:竹下 正哲

新装版 果しなき流れの果に (ハルキ文庫)新装版 果しなき流れの果に (ハルキ文庫)感想
読んだのは角川文庫版だがこちらに登録。もとは65年の連載。電子書籍版は半世紀後の15年発行。氏の四作目の長編。日本SFオールタイムベストでは上位の常連だそうだが、アーサー・C・クラーク『幼年期の終わり』のように高尚すぎるのか、あとがきにあるように準備不足のまま締切に追われたためなのか、正直最後の方はついていけない感も。中盤は面白かっただけに、機会があれば関連する他の作品も読んでみようかと。角川文庫版に追加されている創作メモを見ると、短いメモからよくこれだけスケールの大きい話を展開できたものだと驚嘆する。
読了日:11月06日 著者:小松左京

日本の歴史〈9〉南北朝の動乱 (中公文庫)日本の歴史〈9〉南北朝の動乱 (中公文庫)感想
74年初版、17年改版。南北朝時代はもちろん、戦前戦後の研究もイデオロギーに左右された(いまの天皇家は北朝の子孫なのに「南朝正閏論」が罷り通った不思議)が、それだけに本書にも階級闘争的な部分がまったくないわけではないが、相当に公正な通史となっているのは氏の学識ゆえだろう。政治だけに留まらない射程の広さ、いちいち典拠は示さないが説得力のある文章、時に断定的な言い方が気になるところもあるが、不朽の名著であることは間違いない。巻末の森茂暁氏の解説がまた詳しく、これ以上の賛辞はない。カバー袖の氏の写真が若いのだが、死去が一昨年の2017年、享年百歳である。解説に(本書は)「さまざまの分野の研究を促進する自由の光を放つ灯台のような役目を果たしてきた」とあるが、「灯台」の一方、「壁」であったともいえるのではないか。2018年に『初期室町幕府研究の最前線 ここまでわかった南北朝期の幕府体制』のような本が出たことも無関係ではないだろう。ただし、それはむしろ、「昭和四十年代以降の南北朝時代研究が、この田中義成を踏まえた佐藤氏の『南北朝の動乱』に起点をもつことは動かない」ことの証左ともいえる。
読了日:11月03日 著者:佐藤 進一

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