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兵は拙速なるを聞くも、いまだ巧久なるを睹ざるなり(『孫子』)
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最後に。
今年は歴史や経済、宗教の本など、雑多な分野に手を付けましたが、
違う分野と思っていても、どこかでつながってくると面白いものです。

最近ぼんやりと考えていることですが。
(メディアでも言われていることですが)

1989年に冷戦が終わって(終わり始めたというべきでしょうか)、
旧ソ連型の社会主義(あるいは共産主義を含む)はダメだということになって、
出てきたのが、グローバリゼーションと新自由主義で、
この弊害、剥き出しの資本主義が格差を拡大させているのではないかと。
(労働者が決起して会社と争うようなことがほとんど想定されなくなった)

グローバリゼーションが地球を一周したら、
人件費の安いところがなくなって、人件費は上昇するのでしょうか。
(すでに中国は「世界の工場」ではないし、人件費の安いところは
 東南アジアに移って、最後はバングラデシュなどと言われている。
 アフリカは最後のフロンティアかというとすでにそうでもないらしい)

かといって、日本もそうですが、社会主義というか、
左的な人は往々にして現実とかい離して、最悪、人も殺しますから、
どちらも極端はよくありません。

日本の場合は、55年体制もそうですが、
自民党の中に右寄り、左寄りの集まりがあって、
自民党が社会主義的な政策を取り込んで、
自民党の政策として実行したところがあります。
アメリカの民主党、共和党と違って、
日本の場合は、大きな政府ともっと大きな政府しかない。
(だから、財政緊縮や増税という話が対立軸になりづらい)

思ったことをうまく書けないのですが(書き足りない)
宗教の話(宗教と経済、商売や利子)も含めてまた改めましょうか。

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アメリカ大統領選挙をいつもよりは関心を持って見ていたのですが、
日本への直接、間接の影響が避けられないからですよね。

テレビや新聞も見ていますが、
書籍だと、野口悠紀雄先生の『戦後経済史』、
池上さんと佐藤優氏の『新・リーダー論』が
興味深かったかな。

新自由主義やグローバリズムにおける負の影響が大きくなって、
それに反対する動きが目立つようになってきているのでは。

ヨーロッパの極右が連帯するというのも不思議な光景。
(国家を超えて連帯するのは「左」のはずだったが)

アメリカの「孤立主義」は昔からの伝統です。
第二次世界大戦後、社会主義との対抗上、
自由主義勢力を率いて、世界の各地に影響を及ぼした方が
それまでのアメリカの動きからすれば異例でした。

「(欧米的な個人主義にとらわれて)日本は独自の良さ、
 強さを失って、二十年の停滞を招いている、
 組織でがんばった方がよい」
的な主張は耳に心地よいのかもしれませんが、
過去の成功にとらわれているのであり、
敗戦後の復興にはそれが適合していたのでしょうが、
いままたそこに戻ろうというのは違和感があります。

ある意味、右を向けと言えば右、左を向けと言えば左で、
中庸というか、少し離れて客観的に観るということが
できないのが日本人のいいところでもあり、欠点でもあるのかなと。

毎年名前があがりながら受賞できない作家のファンではありません。
(読んだことがないので、作品について批評することはない)

「風に吹かれて」と言われてもメロディラインが思い浮かばないのですが、
ニュース番組のアナウンサーがやや興奮気味に伝えていたのを
冷ややかな目で見ていましたが、
ボブ・ディランと言われて名前くらいは知っています。
(活動や評価をほとんど知らないので、個人の批評はしません)

それにしても。
賞などというものは、多分に恣意的なものですが
(特に平和賞などというものは)、
グラミー賞やアカデミー賞を受賞している人に、
ノーベル文学賞を与えるというのはどうなのでしょうか。

音楽(詩歌)を文学に含めることに異論はないのですが、
音楽や映画の最も権威ある賞(の一つ)をもらっている人に、
ノーベル賞が文学賞を与えるというのは、
「領空侵犯」という気もします。
あるいは、後追いといいますか。

ノーベル賞も思い切ったことをするというか、
未知の領域に踏み込んだ(あまりよくない意味で)
という気もします。

それにしても、利子でまかなう賞金(変動する)ですが、
このご時世に約1億円近い賞金を出し続けるというのは
ノーベルの遺産(ダイナマイトなどからの莫大な富)とは
いかほどのものなのでしょうか…。

『喧嘩両成敗の誕生』
清水克行、講談社選書メチエ、1,500円+税

読メ感想から興味を持って手に取ったが面白い。史料からの豊富な事例と平易な文章で喧嘩両成敗法の誕生以前からの室町期の人々の意識を追っていく。両成敗法は戦国大名の強圧的な秩序形成策ではなく、自力救済社会の中から生まれた紛争解決の法慣習の蓄積と位置付けているのは目から鱗。
織豊期を経て江戸時代に入り、自力救済から裁判へと収斂していくのだが(家綱や綱吉の功績も大きい)、赤穂事件に対する反応を見ても衡平、調和という意識は江戸時代にも消えることはなく、現代にも残っている。

【追記】

裏表紙に「中世、日本人はキレやすかった! 大名から庶民まで刃傷沙汰は日常茶飯事」とありますが、トラブルがあったらすぐに命の危険にかかわるという社会では人々は安心して暮らせません(米国の銃社会を想定してもらえばわかりやすいと思う)。

室町期(だけではない)では、トラブルがあっても権力が護ってくれるとは限らない、というか、幕府の権力が弱いため、当事者がやりあう「自力救済」ということになって、このままだと紛争が延々と続くことになります。人々も愚かではありませんから、紛争解決の手段として「折中の法」や「解死人の制」などを生み出すことになり、その延長上に喧嘩両成敗法が誕生することになります。

本書では、喧嘩両成敗法は戦国大名の強圧的な秩序形成策ではなく、自力救済社会の中から生まれた紛争解決の法慣習の蓄積と位置付けています。戦国大名も単に喧嘩両成敗を目指したわけではなく、実際は喧嘩になる前に大名に訴えることを求めていました。

「中世、日本人はキレやすかった」という一方で、もっと昔、聖徳太子が憲法十七条に、仏教や天皇の詔より前の第一条にまず「和をもって貴しとなし」としたように、日本人には意識の底に「和」、すなわち調和を求める意識がありました。(聖徳太子の実在、あるいは憲法十七条が創作かどうかはともかく、条文は720年成立の『日本書紀』に記載されている。)

これは怨霊信仰(怨みを買いたくない)とも関係するのでしょうが、仮に自分に非がなかった、あるいは相手の方に自分を上回る非があったとしても、日本人は勝ち過ぎを避ける傾向にあって、さらに周りの目を意識して、勝ち過ぎと見られることをも忌避する傾向にあるのではないかと思います(いまも)。

そうなると、事実をとことん突き詰める(それ自体を最初からしないわけではない)とか、「白黒つける」ことは必ずしも至上命題ではなく、いかにして、お互いのメンツを保つか、丸く収めるか、ということの方に意識が向けられることになります。事実がどうかも軽視するわけではありませんが、お互いが「納得」するかが重要であって、それが「和」ということになります。

街角のインタビューの中にありましたが、陛下のお気持ちを臣民が忖度するのは不敬だと思いますね。天皇としての地位、職務、職責を全身全霊で務めることの肉体的、精神的な負担は陛下以外には理解できないと思います。我々にはそういうものがあることを想像することしかできません。

死ななければ辞められない地位というのも厄介なもので、歴史上の天皇のおよそ半数が譲位したとされています(上皇や法皇となっても「治天の君」として君臨することができた)。

昭和天皇は大正天皇の摂政を五年ほど務めましたが、今上天皇は摂政を置くことには否定的なようで、生前退位を望んでおられるということのようです。

それにしても、生前退位が「認められない」というのは誰が認めないのでしょうか。憲法や皇室典範にそのような規定がないのは事実ですが、「認めない」や「許さない」の主語は誰なのか気になるところです。法制度の整備にかかわってくる問題です(要は国民であって、国民の代表である国会や議院内閣制であるところの内閣や法制度をつかさどる司法というところになるでしょうか)。

今上天皇の生前退位には異論は少ないと思いますが、今後、天皇となられる方の生前退位が政治利用されることはないのでしょうか。皇室典範に生前退位の規定を設けるのか、今上天皇一代限りの特別法とするのか、これから議論されていくことかと思います。

いくつか気にかかった点
「天皇が健康を損ない、深刻な状態に立ち至った場合、これまでにも見られたように、社会が停滞し、国民の暮らしにも様々な影響が及ぶ」
一般にバブル景気崩壊の要因にはあげられていませんが、昭和天皇崩御後の自粛ムードがバブル景気崩壊へつながったのではないかという印象はあります(もちろん、これだけが要因ではない)。

「象徴天皇の務めが常に途切れることなく」
戦後の新憲法で象徴天皇が生まれたように認識されている方も多いのかもしれませんが、それ以前から象徴としての立場であったわけで、陛下御自身もそのように認識されていたということですね。天皇が帝国憲法のような「統治権の総攬者」だったのは日本の歴史を見ても限られた時期でしかありません。
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