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兵は拙速なるを聞くも、いまだ巧久なるを睹ざるなり(『孫子』)
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スマホからログインできず焦りました。

3月の読書メーター

読んだ本の数:3
読んだページ数:860
ナイス数:70

よみがえる金融―――協同組織金融機関の未来よみがえる金融―――協同組織金融機関の未来感想
17年。悩める金融機関職員にこそ読んでほしい一冊。「ES(職場満足度)なければCS(顧客満足度)なし」(逆もしかり)、職員の疑心暗鬼を解く道のり。
プロダクトアウトではなくカスタマーインの実践。
「芸者ローン」の審査には信用組合の総代でもある料亭の組合長の推薦が必要というのがまさに「目利き」。すべて自前でやる必要はない。
「創業支援×地方創生」、「地産地消」でなく「地産都消」など気付きが多い。
全国の信組等との「志のあるコミュニティの連携」で地域・地方と信組自身が持続可能か今後も注目。
現状を嘆いて不平不満ばかり言って思考停止に陥ったら死んでしまう。行動、実践が大切。
読了日:03月17日 著者:新田 信行

徳政令 なぜ借金は返さなければならないのか (講談社現代新書)徳政令 なぜ借金は返さなければならないのか (講談社現代新書)感想
18年。室町時代の債務破棄と債権保護の攻防が中心だが、戦争と結び付き変質し忌避される徳政令、その後の集権体制の誕生までと射程は広い。
前半は具体的な事例がほとんど引かれず著者の分析が続く。六章七章あたりから事例を引いてわかりやすくなるが、終盤は前半同様ぐだぐだ。論理展開に無理がないだけに逆に目から鱗ということもない。もう少し史料での根拠付け、補強が欲しいが、先行研究が少ないということでもあり、(変質していく徳政令の部分は本書を読んでも)それほど興味を引かれる分野でもない。なお、2月に読んだ桜井英治『破産者たちの中世』を読んでおくと具体的なイメージを掴みやすい。
幕末の多くの藩や戦前戦後にしろ、この国が借金、前借りだらけなのは天災が多く、住宅等も含めてインフラの蓄積が少ないことも一因だろうか。(教養や知識など目に見えないもので蓄積できるものもあろう)
読了日:03月16日 著者:早島 大祐

捨てられる銀行3 未来の金融 「計測できない世界」を読む (講談社現代新書)捨てられる銀行3 未来の金融 「計測できない世界」を読む (講談社現代新書)感想
19年2月第一刷。提灯記事の3冊目。『金融排除』も含めれば4冊目。「計測できない世界」がテーマだけにモヤっとしていて説教臭く、また妙に上から目線。
「金融検査マニュアル」廃止や若い世代の(銀行に)「行かない革命」、中国のキャッシュレスを通じた「信用革命」も目新しい話ではない。
投資信託の回転売買の悪や商工中金の不祥事は詳しいが、かつて金融庁が「地銀の優等生」と評したスルガ銀行の件は本書のテーマに合わせて話をすり替え。
漂流しているのは銀行だけではない。儲からなくなっているのに、長いだけで何も決まらない会議をしたり無駄な書類を作ったり作らせたりで仕事をしているふりをしているのでは生産性向上以前の話。
読了日:03月02日 著者:橋本 卓典

読書メーター
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2月の読書メーター
読んだ本の数:4
読んだページ数:749
ナイス数:94

日本史の内幕 - 戦国女性の素顔から幕末・近代の謎まで (中公新書)日本史の内幕 - 戦国女性の素顔から幕末・近代の謎まで (中公新書)感想
17年初版、18年15版。
一つ一つの話が短いエッセイ集こそ電子書籍化を希望。ちなみにエッセイ集では『花の慶次』の原作で知られる『一夢庵風流記』を書いた隆慶一郎の『時代小説の愉しみ』が好み。
磯田先生は『龍馬史』『素顔の西郷隆盛』でも「ですます」調なのに、エッセイ集であるこちらは「である」調で戸惑う。雑誌連載の字数の都合か。
古文書などから日本史の真相に迫るのだが、真贋わからぬ古文書がベースであれば眉唾かもくらいの猜疑心は持っていた方がいいかも(見極めているだろうが)。自慢的な話が鼻に付くところもあるが、話は面白い。映画『武士の家計簿』以降、すっかり有名人になってしまったが、こういう人が動くことで保護・保存される文化も少なくない。
お気に入りは、
・我々は「本が作った国」に生きている
・「民あっての国」、山田方谷の改革
・中根東里と司馬遼太郎、など。
「第7章 災害から立ち上がる日本人」も興味深い。ということで磯田先生の『天災から日本史を読みなおす』を次に読む本としてキープ。
読了日:02月16日 著者:磯田 道史

日本書紀 (まんがで読破)日本書紀 (まんがで読破)感想
たまたま建国記念の日に読了。まんがで読破シリーズの『古事記』に比べると、(『日本書紀』自身に)創作や改変があって(『古事記』に創作がないとは言わず、質の違いである)、無味乾燥に感じられる。本居宣長あたりが述べていそうだが。
マンガで読破シリーズの両書とも神武天皇の即位(建国の日)を2月11日としてそれ以上の解説をしていないが、旧暦では(紀元前660年の)1月1日に当たる。
『古事記』にしろ『日本書紀』にしろ、「建国神話」は知っておくべきだが、政治的に利用されるとろくなことはない。右にしろ左にしろ偏りすぎてバランス感覚を欠くのはよくない。
読了日:02月11日 著者:バラエティアートワークス

古事記 (まんがで読破)古事記 (まんがで読破)感想
司書教諭が生徒に解説する形で進むので、教諭や生徒の意見という形で主観が混じることは避けられない点には留意が必要。
「大昔に作られたものの真意を正確にははかれない」「神話は目には見えない「こと」を表現しようとしている」あたりは至極まっとうな意見だが。
「日本の神々にとっては「恥」が価値判断の基準」なので、死んで腐敗した醜い姿を見られたイザナミは「私に恥をかかせた」としてイザナギを追い立てる。
速吸門で神武一行を導いたのはサホツネヒコでなくサオネツヒコ(槁根津日子)だろう。またこの展開では彼が一行を長髄彦のもとへ案内したように見える(待ち伏せに遭って神武の兄が死ぬ)。
因幡の白兎や国譲り、山幸彦と海幸彦の話などはどんな出来事を反映しているのだろうか。
読了日:02月11日 著者:バラエティアートワークス

破産者たちの中世 (日本史リブレット)破産者たちの中世 (日本史リブレット)感想
05年。転々流通する借用証書は現代の手形にも似る。ただし、手形の流通量は年々減少しているので、形は変わっていくのだろう。
さて、仮に60石の収穫がある土地を担保に7割の42石に相当する金銭を借り、月利8%(年利ではなく、かつ単利)とすると、金利は年約40石(相当の金銭)となる。2年で120石の収穫があれば、貸し手は元本と2年分の金利を確保できる。
いわゆる「利子一倍法」の原則からするとこれ以上は取り過ぎだから、徳政令で土地を返せと言われても貸し手に損失はない(1年で返すにしても元本割れはしない)。
このあたりが徳政令の貸し手側からの見方と思うのだが、そんな単純な話ではないだろうから、早島大祐『徳政令』に進む。
読了日:02月03日 著者:桜井 英治

読書メーター
1月の読書メーター
読んだ本の数:3
読んだページ数:617
ナイス数:126

歴史群像 2018年 12 月号 [雑誌]歴史群像 2018年 12 月号 [雑誌]感想
リヤカー■高出力レーザー兵器:P.86~の呂號乙薬も同様だが「夢のロケット燃料量産計画」のような話になぜ乗せられてしまうのか、「未来への道標として」には同意■田原坂の戦い:「雨は降る降る人馬は濡れる越すに越されぬ田原坂」、日清日露まで続く歴戦のつわものたち■小牧・長久手合戦:戦術的には家康、戦略的には秀吉の勝利ともされるが、関ヶ原や大坂の陣まで見渡すと「三河中入り」は悪手か■イスラームの視点から見た十字軍■空母『信濃』の沈没(後編):期待外れ(前編は建造秘話が興味深かったが、後編は沈むだけで後日談もない)
読了日:01月30日 著者:

龍馬史 (文春文庫)龍馬史 (文春文庫)感想
13年。実家の才谷屋が裕福な商家であり、土佐では広い屋敷に住んだが、剣術修行に出た江戸では土佐藩邸の複数人部屋を割り当てられ、そこで身分制度を実感したのではとの指摘は慧眼。その才谷屋は「謎の豪商」で終わっているが、幕末は誰がどうしていたのか。後半は龍馬暗殺の謎解きに紙幅を割くが、さすがに本書を読んでなお薩摩藩黒幕説を維持しようとは思わない(実行犯が京都見廻組であることには異存がないし、これは薩摩藩黒幕説とは相容れないだろう)。あとは『素顔の西郷隆盛』にも名前が見えた大久保一翁(忠寛)をもっと知りたい。
読了日:01月21日 著者:磯田 道史

自衛隊と憲法──これからの改憲論議のために (犀の教室)自衛隊と憲法──これからの改憲論議のために (犀の教室)感想
18年初版。木村先生が丁寧に説明。それでもなかなか頭に入ってこないが、憲法の条文やこれまでの議論の積み重ねを理解せずして改憲の議論はできない。逆に言えば理解しない人々の発言が多いということ■憲法は軍隊を持つことを想定していないので文民統制の規定すらない■9条、自衛隊以外のテーマも取り上げる。緊急事態条項や教育無償化などは改憲せずとも法律で対応できることであり立法府の怠慢■改憲発議も安倍首相得意の「やるやる詐欺」か。消費増税凍結で参院選に打って出て、改憲勢力を維持して発議に持ち込めば憲政史上に名を残すかも
読了日:01月17日 著者:木村草太

読書メーター
もうすぐ2日も終わろうとしていますが、
明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。

なんでも「平成最後の」とつけたがるのは安易な風潮だと思いますが、
本当にそうなのか、絶対にそうなのか、と考えてみたり。
(不敬なのでここまでにしますが)

さて、昨年の始まりは「適温相場」とやらで、
順調な2018年を想像される向きも多かったのではないかと思いますが、
そういう年に限って波乱になるのもまた常でして。
経済の好調を説明しようとする(理解しようとする)
よくわからない言葉が出てくるときには変調が近いと思っています。

五輪も万博も誰がやりたいのかよくわかりませんが、
経済は来年の五輪までもたないのではないでしょうか。
私が言わずとも、昨年以前からそういう意見はあったように思いますが。
消費増税があればさらに日本経済は冷え込むでしょうね。
(「景気回復」を額面通りに受け取る人がどれだけいるのやら)
増税の影響をできる限り少なくしようと大盤振る舞いを
すればするほど、増税の意味がなくなってしまうというか、
それを名目に潤うところもあるのでしょうか。

経済がダメになれば政治もダメになるのですが(すでにダメですが)、
末期症状でありながら、見えづらくなっているというか、
見ないようにしているようにも思えます。

見たくないこと、知らなければよかったことが
年々増えつつあるようにも思いますが、
2019年は無事に年の瀬を迎えられるでしょうか。
波乱の一年になりそうな予感がします。
12月の読書メーター
読んだ本の数:4
読んだページ数:953
ナイス数:97

素顔の西郷隆盛 (新潮新書)素顔の西郷隆盛 (新潮新書)感想
18年。大河で時代考証を担当した一人でもあり復習も兼ねて。読みやすいが通説との比較も少なくあっさり■「後代の神格化と英雄視を離れて」といっても、通読したところでは改めて不世出の英雄と評価したくなる。世間には破壊はしたが創造はしなかったという批判もあるが正しくない■西南戦争は死に場所を探していてそれを得たのだろう■「面倒くさい男であったのは確か」とあるのは首肯■弟吉二郎の絶賛はともかく、従道の評価は低い。慶喜や勝へも手厳しいが、人を得なかった幕府は批判しても勝個人を非難されては勝の立場がなかろう。
読了日:12月31日 著者:磯田 道史

徳政令――中世の法と慣習 (岩波新書)徳政令――中世の法と慣習 (岩波新書)感想
83年第1刷、16年第4刷■徳政令と言えば「永仁の徳政令」が有名だが、それ自体の顛末には少し触れるだけで、中世の法や慣習、人々の意識を見ながら、永仁の徳政令が出るまでの経緯や背景、後世への影響を考察■永仁の徳政令は、御家人の借金を棒引きにしたが、新たに借入ができなくなって逆に困窮、その不満が鎌倉倒幕の一因になった「悪法」との理解は正しくない、と既に指摘されているのだが、学校で習ったのはこの正しくない理解だったように思う。室町時代にも「徳政」は出てくるが、そもそもなぜ「徳政」と呼ばれたのか。
読了日:12月29日 著者:笠松 宏至

源氏物語 (まんがで読破)源氏物語 (まんがで読破)感想
さすがに解説込みで200頁では端折りすぎだがやむなし。1000年も読み継がれてきた物語がこんなものではなかろうと、原典や源氏物語をベースにした小説を読みたくなってしまうのが本書の効用。光源氏が中心すぎて、周りの女性の心中はほとんど描かれず、和歌すら出てこない。それにしても光源氏の人生は自業自得か(「因果応報」というべき)。いくらこの時代でも下半身に理性がなさすぎだし……。薫と匂宮に二人に愛されて悩み、入水する浮舟が印象に残った。
読了日:12月16日 著者:紫式部,バラエティアートワークス

なぜ、あなたの仕事は終わらないのか スピードは最強の武器であるなぜ、あなたの仕事は終わらないのか スピードは最強の武器である感想
2016年電子版。中心は仕事を終わらせるための時間術の紹介だが、それにはまず「締め切りは絶対に守るもの」、納期に間に合わせるという意識から。うちの組織も致命的に弱い■あとはこの手の本は、自分はこういう制約があるからできないではなく、このへんは自分でもやれるかなと実践していく方が生産的■プロトタイプを作れとあるが、私も文章のドラフト、叩き台を高速で作って上まで回してしまう。長期の仕事は縦に切って、細分化して潰していくなど、すでに実践していることも多い。
読了日:12月16日 著者:中島聡

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