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兵は拙速なるを聞くも、いまだ巧久なるを睹ざるなり(『孫子』)
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明けましておめでとうございます。
と言いながら、先月の読書メーターから。
学生時代、司馬遼太郎はよく読みましたが、しばらく遠ざかり、
社会人になってから、『坂の上の雲』で少し戻った感じでしょうか。
その後は、新書などの研究書などを中心に読んできましたが、
また『この国のかたち』で司馬遼太郎に戻ってきました。

12月の読書メーター
読んだ本の数:7
読んだページ数:1831
ナイス数:122

この国のかたち〈5〉 (文春文庫)この国のかたち〈5〉 (文春文庫)感想
神道に始まり、そこから八幡神ときて武家政権のリアリズムに至る(一方、元寇を見ても朝廷は逆でありその遺伝子は昭和にも受け継がれる)。鉄の話から、実用を超えた無用に近いばかりの精度(技術)が西欧の機械文明の受け皿になったとの話(一方、現代日本においてこれをどうとらえるべきか)■「昭和初年から太平洋戦争の終了までの日本は、ながい日本史のなかで、過去とは不連続な、異端な時代だった」「明治人がもっていた職人的な合理主義は、昭和の指導者たちには皆目なかったように思えます」■松陰と品川弥二郎、龍馬と中江兆民の挿話は素敵
読了日:12月27日 著者:司馬 遼太郎

この国のかたち〈4〉 (文春文庫)この国のかたち〈4〉 (文春文庫)感想
「『この国のかたち』は、主として柔和のほうに触れ、”別国”のほうには、わずかにふれただけだった。しかしながらわずか十数年の”別国”のほうが、日本そのものであるかのようにして内外で印象づけられている」■巻末には口述をもとに加筆した「日本人の二十世紀」が収められており、2巻や3巻の感想でも触れた、一連の随筆の根幹がまとめられています。「時代ごとの形質をあつかいつつも、時代を越えて変らぬものはないかという、不易の、あるいは本質に近いものをさぐりたいと思って書いている」■個別では統帥権、新井白石の父の話が興味深い
読了日:12月22日 著者:司馬 遼太郎

アジャストメント―ディック短篇傑作選 (ハヤカワ文庫 SF テ 1-20)アジャストメント―ディック短篇傑作選 (ハヤカワ文庫 SF テ 1-20)感想
2011年の映画「アジャストメント」公開に合わせた短篇傑作選。中心は50~60年代の作品。『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』『高い城の男』同様に現実と虚構、オリジナルとコピーの関係がテーマの話が多い。表題作と次の「ルーグ」はさっぱりだが、「ウーブ身重く横たわる」から面白くなり、「にせもの」「くずれてしまえ」「おお! ブローベルとなりて」「ぶざまなオルフェウス」「父祖の信仰」「電気蟻」あたりは秀逸。「凍った旅」ではいま読んでいる部分が夢なのか、夢から覚めてもまた夢なのか、わからなくなる不安な感覚がよい。
読了日:12月17日 著者:フィリップ・K・ディック

この国のかたち〈3〉 (文春文庫)この国のかたち〈3〉 (文春文庫)感想
室町や江戸、あるいはそれ以前から続いてきた日本人の特性、本質は敗戦前の数年間で失われてしまい、しかもその数年間が戦後の日本人の意識に強く、しかもネガティブに(あえて「自虐的」という言葉は使わない)影響し続けている、そこであらためて戦争以前の日本を振り返る■福沢諭吉の「脱亜論」、「日本人の空論好きは宋学からきているという」あたりは最近の井沢元彦も書いていた話か■一章は四百字詰めの原稿用紙十枚と短く、書きたいことすべては書けないので「読み手のゆたかな想像力にまちたい」とのこと。力み過ぎず咀嚼していきたい。
読了日:12月15日 著者:司馬 遼太郎

この国のかたち〈2〉 (文春文庫)この国のかたち〈2〉 (文春文庫)感想
とりとめなく綴られていますが、日本だけでなく中韓、時に欧州まで(ザヴィエル城まで)、そして時代も時に縄文や弥生まで遡ります。まさに縦横無尽、自由自在の筆致は羨むばかりです。いわゆる「司馬史観」に批判的な向きもありますが、これだけの知識や経験、想像力に裏打ちされた史観はそう簡単に退けるべきものではないと感じます。その作者がこの一連の随筆で何を伝えたかったのか。急逝により連載が終了してしまったことは知っていますが、各章を楽しみながら、全体としてそのようなことを考えながら読み進めています。

読了日:12月11日 著者:司馬 遼太郎

この国のかたち〈1〉 (文春文庫)この国のかたち〈1〉 (文春文庫)感想
Kindle版で読了。単行本は90年3月、30年近く前の刊行ですが根本の部分は色褪せないように思います。■日本には仏教や儒教、カトリックのような普遍的思想はなかったのかもしれませんが、「和」の思想があって外から来た思想は包摂されてしまうのでは。■朱子学の害毒や統帥権、ブッダの教えから乖離した仏教などは、井沢元彦『逆説の日本史』シリーズを読んでいると、ここが原型かなと思ったり。■西郷隆盛とその周辺、山県有朋の評価などは首肯しながら読みました。歴史小説は多く読んだので、どこかで触れて血肉となっていたのかも。
読了日:12月05日 著者:司馬 遼太郎

歴史群像 2017年 12 月号 [雑誌]歴史群像 2017年 12 月号 [雑誌]感想
桐野作人氏の「龍馬暗殺の真実」と山上至人氏の「激震!シャクシャインの戦い」の冒頭以外は流し読み。坂本龍馬という人物、個人としては魅力的な人物ではあるのですが、幕末の政治における地位、活躍という点については疑問視しておりまして、薩摩のエージェント、代理人に過ぎず、薩長同盟や船中八策も龍馬自身のオリジナルではないと考えています(寺さんには申し訳ない!)。暗殺も武力倒幕派の薩摩が黒幕で、大政奉還(公議政体)派の龍馬が目障りになったのではと思っていましたが、今回の特集で薩摩黒幕説は虚妄と認識しました。
読了日:12月04日 著者:

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