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兵は拙速なるを聞くも、いまだ巧久なるを睹ざるなり(『孫子』)
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1月の読書メーター
読んだ本の数:5
読んだページ数:1301
ナイス数:114

サーチライトと誘蛾灯 (ミステリ・フロンティア)サーチライトと誘蛾灯 (ミステリ・フロンティア)感想
東京創元社が主催する「ミステリーズ!新人賞」を受賞した表題作を含む5編の短編集。作者紹介に「軽妙な語り口と緻密な構成が光る」とあるとおり、とぼけた会話の後ろに昆虫や植物に対する深い造詣がうかがえ、視覚や聴覚、嗅覚など五感を研ぎ澄ませながら読み進めましたが、最後の最後で反転して謎が解き明かされるのがクセになります。個人的には手探りで読み始めた表題作が好きですが、印象的なのは『火事と標本』かな。
読了日:01月29日 著者:櫻田 智也

『ふしぎなキリスト教』と対話する『ふしぎなキリスト教』と対話する感想
2年ほどかけて読了。新約以降でも2000年以上あるキリスト教の宗教だけに留まらない歴史や哲学、知の蓄積はノン・クリスチャンにも得るものがあります。神と人の「契約」の意味するところ、神義論(全知全能の神が創造したのに世界はどうして不完全なのか、悲劇が起こるのか)、贖罪論(キリストが死んだらなぜ人類の罪が贖われるのか、whyではなくhow)のほか、プロテスタンティズムと資本主義の関係についても丁寧に解説しています(マックス・ヴェーバーに無批判でないのは印象的)。司馬遼太郎『「明治」という国家』にもつながる話。
読了日:01月21日 著者:来住英俊

「司馬遼太郎」で学ぶ日本史 (NHK出版新書 517)「司馬遼太郎」で学ぶ日本史 (NHK出版新書 517)感想
これは良いガイド本。先に『この国のかたち』を読んでおくことを強くお勧めします(六巻あるが読みやすい)。本書では歴史文学を大きく三つに分け、史実に近い順から史伝文学、歴史小説、時代小説としています。司馬作品はほとんどが歴史小説ですが、『坂の上の雲』は史伝文学に近いとします。史伝とは虚構を極力排し考証を交えた伝記ですが、司馬作品も「あくまでも文学であって、歴史そのものではない」のですから、司馬作品を「事実と違う」と批判する人たちはそもそも筋が違うのです(それだけ影響力が大きいことの裏返しではありますが)
読了日:01月09日 著者:磯田 道史

日本は本当に戦争する国になるのか? (SB新書)日本は本当に戦争する国になるのか? (SB新書)感想
15年12月初版第1版、16年1月第3刷。個人的には安保法制整備は必要(これは安全保障論議)、集団的自衛権は違憲(これは憲法論議)の立場ですが、安保法案成立に至る安倍政権の対応は、内閣法制局長官を替えて憲法解釈を変えたり、存立危機事態の代表例にあり得ない話(日本人母子を乗せた米艦防護、ホルムズ海峡の機雷封鎖)を出したり、必要なことなら正々堂々やればいいのに、姑息な部分が目立ちました。それ以前の話として、日本国憲法の上に日米安保条約があり、日本は米国の言いなりであって、これは現代における治外法権でしょう。
読了日:01月08日 著者:池上 彰

この国のかたち〈6〉 (文春文庫)この国のかたち〈6〉 (文春文庫)感想
最後の1頁だけ残していましたが本日読了。終わってしまいました。「歴史のなかの海軍」にあるように海軍を創った山本権兵衛はもっと評価されてよいのでは(これも一周して司馬遼太郎から出たものでしょうか)。軍縮を進めた浜口雄幸が狙撃されたところまでで絶筆(誰か続きを書いてもらえませんか)。あとは随想集が続きます。「言語についての感想」は興味深い。たしかに誰かが先頭に立って書き、それが読まれないと型としての文章はなかなかできてこないのでしょう。
読了日:01月04日 著者:司馬 遼太郎

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