兵は拙速なるを聞くも、いまだ巧久なるを睹ざるなり(『孫子』)
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明けましておめでとうございます。
と言いながら、先月の読書メーターから。
学生時代、司馬遼太郎はよく読みましたが、しばらく遠ざかり、
社会人になってから、『坂の上の雲』で少し戻った感じでしょうか。
その後は、新書などの研究書などを中心に読んできましたが、
また『この国のかたち』で司馬遼太郎に戻ってきました。
12月の読書メーター
読んだ本の数:7
読んだページ数:1831
ナイス数:122
この国のかたち〈5〉 (文春文庫)の感想
神道に始まり、そこから八幡神ときて武家政権のリアリズムに至る(一方、元寇を見ても朝廷は逆でありその遺伝子は昭和にも受け継がれる)。鉄の話から、実用を超えた無用に近いばかりの精度(技術)が西欧の機械文明の受け皿になったとの話(一方、現代日本においてこれをどうとらえるべきか)■「昭和初年から太平洋戦争の終了までの日本は、ながい日本史のなかで、過去とは不連続な、異端な時代だった」「明治人がもっていた職人的な合理主義は、昭和の指導者たちには皆目なかったように思えます」■松陰と品川弥二郎、龍馬と中江兆民の挿話は素敵
読了日:12月27日 著者:司馬 遼太郎
この国のかたち〈4〉 (文春文庫)の感想
「『この国のかたち』は、主として柔和のほうに触れ、”別国”のほうには、わずかにふれただけだった。しかしながらわずか十数年の”別国”のほうが、日本そのものであるかのようにして内外で印象づけられている」■巻末には口述をもとに加筆した「日本人の二十世紀」が収められており、2巻や3巻の感想でも触れた、一連の随筆の根幹がまとめられています。「時代ごとの形質をあつかいつつも、時代を越えて変らぬものはないかという、不易の、あるいは本質に近いものをさぐりたいと思って書いている」■個別では統帥権、新井白石の父の話が興味深い
読了日:12月22日 著者:司馬 遼太郎
アジャストメント―ディック短篇傑作選 (ハヤカワ文庫 SF テ 1-20)の感想
2011年の映画「アジャストメント」公開に合わせた短篇傑作選。中心は50~60年代の作品。『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』『高い城の男』同様に現実と虚構、オリジナルとコピーの関係がテーマの話が多い。表題作と次の「ルーグ」はさっぱりだが、「ウーブ身重く横たわる」から面白くなり、「にせもの」「くずれてしまえ」「おお! ブローベルとなりて」「ぶざまなオルフェウス」「父祖の信仰」「電気蟻」あたりは秀逸。「凍った旅」ではいま読んでいる部分が夢なのか、夢から覚めてもまた夢なのか、わからなくなる不安な感覚がよい。
読了日:12月17日 著者:フィリップ・K・ディック
この国のかたち〈3〉 (文春文庫)の感想
室町や江戸、あるいはそれ以前から続いてきた日本人の特性、本質は敗戦前の数年間で失われてしまい、しかもその数年間が戦後の日本人の意識に強く、しかもネガティブに(あえて「自虐的」という言葉は使わない)影響し続けている、そこであらためて戦争以前の日本を振り返る■福沢諭吉の「脱亜論」、「日本人の空論好きは宋学からきているという」あたりは最近の井沢元彦も書いていた話か■一章は四百字詰めの原稿用紙十枚と短く、書きたいことすべては書けないので「読み手のゆたかな想像力にまちたい」とのこと。力み過ぎず咀嚼していきたい。
読了日:12月15日 著者:司馬 遼太郎
この国のかたち〈2〉 (文春文庫)の感想
とりとめなく綴られていますが、日本だけでなく中韓、時に欧州まで(ザヴィエル城まで)、そして時代も時に縄文や弥生まで遡ります。まさに縦横無尽、自由自在の筆致は羨むばかりです。いわゆる「司馬史観」に批判的な向きもありますが、これだけの知識や経験、想像力に裏打ちされた史観はそう簡単に退けるべきものではないと感じます。その作者がこの一連の随筆で何を伝えたかったのか。急逝により連載が終了してしまったことは知っていますが、各章を楽しみながら、全体としてそのようなことを考えながら読み進めています。
読了日:12月11日 著者:司馬 遼太郎
この国のかたち〈1〉 (文春文庫)の感想
Kindle版で読了。単行本は90年3月、30年近く前の刊行ですが根本の部分は色褪せないように思います。■日本には仏教や儒教、カトリックのような普遍的思想はなかったのかもしれませんが、「和」の思想があって外から来た思想は包摂されてしまうのでは。■朱子学の害毒や統帥権、ブッダの教えから乖離した仏教などは、井沢元彦『逆説の日本史』シリーズを読んでいると、ここが原型かなと思ったり。■西郷隆盛とその周辺、山県有朋の評価などは首肯しながら読みました。歴史小説は多く読んだので、どこかで触れて血肉となっていたのかも。
読了日:12月05日 著者:司馬 遼太郎
歴史群像 2017年 12 月号 [雑誌]の感想
桐野作人氏の「龍馬暗殺の真実」と山上至人氏の「激震!シャクシャインの戦い」の冒頭以外は流し読み。坂本龍馬という人物、個人としては魅力的な人物ではあるのですが、幕末の政治における地位、活躍という点については疑問視しておりまして、薩摩のエージェント、代理人に過ぎず、薩長同盟や船中八策も龍馬自身のオリジナルではないと考えています(寺さんには申し訳ない!)。暗殺も武力倒幕派の薩摩が黒幕で、大政奉還(公議政体)派の龍馬が目障りになったのではと思っていましたが、今回の特集で薩摩黒幕説は虚妄と認識しました。
読了日:12月04日 著者:
読書メーター
と言いながら、先月の読書メーターから。
学生時代、司馬遼太郎はよく読みましたが、しばらく遠ざかり、
社会人になってから、『坂の上の雲』で少し戻った感じでしょうか。
その後は、新書などの研究書などを中心に読んできましたが、
また『この国のかたち』で司馬遼太郎に戻ってきました。
12月の読書メーター
読んだ本の数:7
読んだページ数:1831
ナイス数:122

神道に始まり、そこから八幡神ときて武家政権のリアリズムに至る(一方、元寇を見ても朝廷は逆でありその遺伝子は昭和にも受け継がれる)。鉄の話から、実用を超えた無用に近いばかりの精度(技術)が西欧の機械文明の受け皿になったとの話(一方、現代日本においてこれをどうとらえるべきか)■「昭和初年から太平洋戦争の終了までの日本は、ながい日本史のなかで、過去とは不連続な、異端な時代だった」「明治人がもっていた職人的な合理主義は、昭和の指導者たちには皆目なかったように思えます」■松陰と品川弥二郎、龍馬と中江兆民の挿話は素敵
読了日:12月27日 著者:司馬 遼太郎

「『この国のかたち』は、主として柔和のほうに触れ、”別国”のほうには、わずかにふれただけだった。しかしながらわずか十数年の”別国”のほうが、日本そのものであるかのようにして内外で印象づけられている」■巻末には口述をもとに加筆した「日本人の二十世紀」が収められており、2巻や3巻の感想でも触れた、一連の随筆の根幹がまとめられています。「時代ごとの形質をあつかいつつも、時代を越えて変らぬものはないかという、不易の、あるいは本質に近いものをさぐりたいと思って書いている」■個別では統帥権、新井白石の父の話が興味深い
読了日:12月22日 著者:司馬 遼太郎

2011年の映画「アジャストメント」公開に合わせた短篇傑作選。中心は50~60年代の作品。『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』『高い城の男』同様に現実と虚構、オリジナルとコピーの関係がテーマの話が多い。表題作と次の「ルーグ」はさっぱりだが、「ウーブ身重く横たわる」から面白くなり、「にせもの」「くずれてしまえ」「おお! ブローベルとなりて」「ぶざまなオルフェウス」「父祖の信仰」「電気蟻」あたりは秀逸。「凍った旅」ではいま読んでいる部分が夢なのか、夢から覚めてもまた夢なのか、わからなくなる不安な感覚がよい。
読了日:12月17日 著者:フィリップ・K・ディック

室町や江戸、あるいはそれ以前から続いてきた日本人の特性、本質は敗戦前の数年間で失われてしまい、しかもその数年間が戦後の日本人の意識に強く、しかもネガティブに(あえて「自虐的」という言葉は使わない)影響し続けている、そこであらためて戦争以前の日本を振り返る■福沢諭吉の「脱亜論」、「日本人の空論好きは宋学からきているという」あたりは最近の井沢元彦も書いていた話か■一章は四百字詰めの原稿用紙十枚と短く、書きたいことすべては書けないので「読み手のゆたかな想像力にまちたい」とのこと。力み過ぎず咀嚼していきたい。
読了日:12月15日 著者:司馬 遼太郎

とりとめなく綴られていますが、日本だけでなく中韓、時に欧州まで(ザヴィエル城まで)、そして時代も時に縄文や弥生まで遡ります。まさに縦横無尽、自由自在の筆致は羨むばかりです。いわゆる「司馬史観」に批判的な向きもありますが、これだけの知識や経験、想像力に裏打ちされた史観はそう簡単に退けるべきものではないと感じます。その作者がこの一連の随筆で何を伝えたかったのか。急逝により連載が終了してしまったことは知っていますが、各章を楽しみながら、全体としてそのようなことを考えながら読み進めています。
読了日:12月11日 著者:司馬 遼太郎

Kindle版で読了。単行本は90年3月、30年近く前の刊行ですが根本の部分は色褪せないように思います。■日本には仏教や儒教、カトリックのような普遍的思想はなかったのかもしれませんが、「和」の思想があって外から来た思想は包摂されてしまうのでは。■朱子学の害毒や統帥権、ブッダの教えから乖離した仏教などは、井沢元彦『逆説の日本史』シリーズを読んでいると、ここが原型かなと思ったり。■西郷隆盛とその周辺、山県有朋の評価などは首肯しながら読みました。歴史小説は多く読んだので、どこかで触れて血肉となっていたのかも。
読了日:12月05日 著者:司馬 遼太郎
![歴史群像 2017年 12 月号 [雑誌]](https://images-na.ssl-images-amazon.com/images/I/51u5jLtxD6L._SL75_.jpg)
桐野作人氏の「龍馬暗殺の真実」と山上至人氏の「激震!シャクシャインの戦い」の冒頭以外は流し読み。坂本龍馬という人物、個人としては魅力的な人物ではあるのですが、幕末の政治における地位、活躍という点については疑問視しておりまして、薩摩のエージェント、代理人に過ぎず、薩長同盟や船中八策も龍馬自身のオリジナルではないと考えています(寺さんには申し訳ない!)。暗殺も武力倒幕派の薩摩が黒幕で、大政奉還(公議政体)派の龍馬が目障りになったのではと思っていましたが、今回の特集で薩摩黒幕説は虚妄と認識しました。
読了日:12月04日 著者:
読書メーター
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前に「はらはらと涙を流す」ということについて書きましたが、
悲しいことだけに涙を流すわけではなく、
スポーツで感動したり、どうしようもない寂しさを感じたりしたときにも
はらはらと、そしてとめどなく涙するのです。
とはいえ、年齢とともに涙腺はゆるくなる一方で、はらはらと涙することは
少なくなったと感じることも多くなりました。
そんなときにふと、いきつけの居酒屋、小料理屋といった方が正確でしょうか、
年内で店を閉めるということで、先日最後のお別れをしてきましたが、
この料理、お酒、いや、この味、この人たち、この場所、
そしてこの時間を共有することはできないのだろうと思うと、
死別するわけではないけれども、胸を締め付けられるというか、
何とも言えず寂しさを感じたものでした。
何気ないことで、普段は思わないことなのですが、
いま生きて会えるということは大事にしなければね。
悲しいことだけに涙を流すわけではなく、
スポーツで感動したり、どうしようもない寂しさを感じたりしたときにも
はらはらと、そしてとめどなく涙するのです。
とはいえ、年齢とともに涙腺はゆるくなる一方で、はらはらと涙することは
少なくなったと感じることも多くなりました。
そんなときにふと、いきつけの居酒屋、小料理屋といった方が正確でしょうか、
年内で店を閉めるということで、先日最後のお別れをしてきましたが、
この料理、お酒、いや、この味、この人たち、この場所、
そしてこの時間を共有することはできないのだろうと思うと、
死別するわけではないけれども、胸を締め付けられるというか、
何とも言えず寂しさを感じたものでした。
何気ないことで、普段は思わないことなのですが、
いま生きて会えるということは大事にしなければね。
11月の読書メーター
読んだ本の数:4
読んだページ数:1021
ナイス数:65
未来の年表 人口減少日本でこれから起きること (講談社現代新書)の感想
現実逃避している時間はないリアルな問題。個人で何ができるかはまだよくわかっていませんが、本書は結論ではなく「一歩踏み出すためのヒント」ですので、まずは自分たちの、そして将来世代の問題として考えることから。■人口減少カレンダーのリアルさに比して10の処方箋の内容には不足感もあるのですが、反対だけしても始まりません(非居住エリアの明確化は私も同様に考えています)■限られた人材をどう効率よく各分野に配分するか、ということになると、社会主義とは言わないまでも、国家の管理・関与が強まるのではとの危惧はあります。
読了日:11月25日 著者:河合 雅司
逆説の日本史23: 明治揺籃編 琉球処分と廃仏毀釈の謎の感想
以前のシリーズを参照してほしいとの記述が増えたように感じたほか、同じ主張の繰り返しで、だんだんくどくなってきたと思いますが、朝日新聞をはじめとしてそこまで言っても改まらないもの、人々があるからなのでしょう、内容は儒教というより新儒教、朱子学の害毒についてが半分以上を占めるので、『逆説の世界史1』を読んでおくとより理解が深まると思います。廃仏毀釈は馴染みが薄いかもしれませんが、ISはともかく文化大革命にも似たところがあり、貴重な文化財が破壊されたことは心が痛みます。
読了日:11月24日 著者:井沢 元彦
週刊ダイヤモンド 2017年11/18号 [雑誌] (右派×左派 ねじれで読み解く企業・経済・政治・大学)の感想
■神戸製鋼問題は収益に伸び悩む地銀にも飛び火■「「保守左派」を都合よく利用する狡猾な安倍政権」、日本の「ガラパゴス化」した「自称リベラル派」のうさんくささ、実は増えていないネット右翼など読んですっきり。いまの若い人は革マルも中核も知らないだろうし、労働組合も役に立たない。
読了日:11月16日 著者:
高い城の男 (ハヤカワ文庫 SF 568)の感想
1962年の作品。映画『ブレードランナー』の原作『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』を書いたディックに挑戦の2冊目。第二次大戦で日独が勝利した世界を舞台に多くの登場人物が交錯。この世界でひそかに流行するのは米英が勝利した小説という入れ子構造になっており、それ以外にも現実と虚構が入り混じる。謎、伏線を回収していく話というよりは、電気羊同様、読後もモヤっとして考えさせられる。易経は違和感はあるが装置と見れば不自然ではない。本書内で流行の禁書名は別作品がモチーフと思われ、次は短編集の『アジャストメント』へ。
読了日:11月04日 著者:フィリップ・K・ディック
読書メーター
読んだ本の数:4
読んだページ数:1021
ナイス数:65

現実逃避している時間はないリアルな問題。個人で何ができるかはまだよくわかっていませんが、本書は結論ではなく「一歩踏み出すためのヒント」ですので、まずは自分たちの、そして将来世代の問題として考えることから。■人口減少カレンダーのリアルさに比して10の処方箋の内容には不足感もあるのですが、反対だけしても始まりません(非居住エリアの明確化は私も同様に考えています)■限られた人材をどう効率よく各分野に配分するか、ということになると、社会主義とは言わないまでも、国家の管理・関与が強まるのではとの危惧はあります。
読了日:11月25日 著者:河合 雅司

以前のシリーズを参照してほしいとの記述が増えたように感じたほか、同じ主張の繰り返しで、だんだんくどくなってきたと思いますが、朝日新聞をはじめとしてそこまで言っても改まらないもの、人々があるからなのでしょう、内容は儒教というより新儒教、朱子学の害毒についてが半分以上を占めるので、『逆説の世界史1』を読んでおくとより理解が深まると思います。廃仏毀釈は馴染みが薄いかもしれませんが、ISはともかく文化大革命にも似たところがあり、貴重な文化財が破壊されたことは心が痛みます。
読了日:11月24日 著者:井沢 元彦
![週刊ダイヤモンド 2017年11/18号 [雑誌] (右派×左派 ねじれで読み解く企業・経済・政治・大学)](https://images-na.ssl-images-amazon.com/images/I/61OUj9qvzYL._SL75_.jpg)
■神戸製鋼問題は収益に伸び悩む地銀にも飛び火■「「保守左派」を都合よく利用する狡猾な安倍政権」、日本の「ガラパゴス化」した「自称リベラル派」のうさんくささ、実は増えていないネット右翼など読んですっきり。いまの若い人は革マルも中核も知らないだろうし、労働組合も役に立たない。
読了日:11月16日 著者:

1962年の作品。映画『ブレードランナー』の原作『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』を書いたディックに挑戦の2冊目。第二次大戦で日独が勝利した世界を舞台に多くの登場人物が交錯。この世界でひそかに流行するのは米英が勝利した小説という入れ子構造になっており、それ以外にも現実と虚構が入り混じる。謎、伏線を回収していく話というよりは、電気羊同様、読後もモヤっとして考えさせられる。易経は違和感はあるが装置と見れば不自然ではない。本書内で流行の禁書名は別作品がモチーフと思われ、次は短編集の『アジャストメント』へ。
読了日:11月04日 著者:フィリップ・K・ディック
読書メーター
10月の読書メーター
読んだ本の数:2
読んだページ数:327
ナイス数:24
週刊ダイヤモンド 2017年 10/21 号 [雑誌] (パナソニック・トヨタが挑むEV覇権)の感想
4度目のEVブームだそうですが、これだけ世界中で具体的な動きが出ているので、「EVはまだ」は希望的観測、願望に過ぎないのでは。トヨタも進むべき道を見失わないでほしいところです。それにしても、自動車もダメになったら日本の製造業は消滅の可能性もあるわけで、そうなると観光産業くらいしか飯のタネがなくなってしまうのでしょうか。神戸製鋼所の件も冒頭に取り上げられていますが、「日産」が「神戸製鋼所」製品の安全性を確認したといったところでまったく信用が置けないのですが。
読了日:10月21日 著者:
巨人たちの星 (創元SF文庫)の感想
これまでの謎が解き明かされ、真実と思っていた事柄にも新たな事実が明らかになります。2020年代後半を舞台に始まった三部作も本作で完結(ただし後に続編あり)。米ソの対立は残っていますが、軍縮による余力を宇宙進出に向けた地球人。日本の戦後復興も(軍事を米国に委ねて)経済に専念した結果ですが、これを地球規模で実現できれば、どれだけ豊かな生活を享受できるでしょうか。前作でシャピアロン号が地球に滞在していた6か月間、工作員は何をしていたのかは気になりますが、よく練られた三部作だったと思います。
読了日:10月12日 著者:ジェイムズ・P・ホーガン
読書メーター
フィリップ・K・ディックの『高い城の男』がようやくスピードアップしてきたので今月はもう少し増えるかと。ディックというと、映画『ブレードランナー』の原作である『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』の作者ですが、『ブレードランナー』の続編が公開されるそうなので、1982年の元祖を見てから続編を観に行こうかな。
読んだ本の数:2
読んだページ数:327
ナイス数:24
![週刊ダイヤモンド 2017年 10/21 号 [雑誌] (パナソニック・トヨタが挑むEV覇権)](https://images-na.ssl-images-amazon.com/images/I/51fchNd0jTL._SL75_.jpg)
4度目のEVブームだそうですが、これだけ世界中で具体的な動きが出ているので、「EVはまだ」は希望的観測、願望に過ぎないのでは。トヨタも進むべき道を見失わないでほしいところです。それにしても、自動車もダメになったら日本の製造業は消滅の可能性もあるわけで、そうなると観光産業くらいしか飯のタネがなくなってしまうのでしょうか。神戸製鋼所の件も冒頭に取り上げられていますが、「日産」が「神戸製鋼所」製品の安全性を確認したといったところでまったく信用が置けないのですが。
読了日:10月21日 著者:

これまでの謎が解き明かされ、真実と思っていた事柄にも新たな事実が明らかになります。2020年代後半を舞台に始まった三部作も本作で完結(ただし後に続編あり)。米ソの対立は残っていますが、軍縮による余力を宇宙進出に向けた地球人。日本の戦後復興も(軍事を米国に委ねて)経済に専念した結果ですが、これを地球規模で実現できれば、どれだけ豊かな生活を享受できるでしょうか。前作でシャピアロン号が地球に滞在していた6か月間、工作員は何をしていたのかは気になりますが、よく練られた三部作だったと思います。
読了日:10月12日 著者:ジェイムズ・P・ホーガン
読書メーター
フィリップ・K・ディックの『高い城の男』がようやくスピードアップしてきたので今月はもう少し増えるかと。ディックというと、映画『ブレードランナー』の原作である『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』の作者ですが、『ブレードランナー』の続編が公開されるそうなので、1982年の元祖を見てから続編を観に行こうかな。
9月の読書メーター
読んだ本の数:3
読んだページ数:432
ナイス数:47
歴史群像 2017年 10 月号 [雑誌]の感想
特集は「関ヶ原合戦の真実」、白峰旬を持ってきたか、というところ。過去に氏の『関ヶ原合戦の真実』(宮帯出版社)を読んでいたので、その追加・補強がされたとの印象です。大垣城を巡る家康の後詰決戦構想というのはさほど目新しい感じはせず。たまたま映画『関ヶ原』を観ようかと思っていましたが、特集の冒頭でわざわざ「国民的歴史作家」と書かなくてもよいものを(少なからぬ悪意を感じる)。「応仁の乱」よりはるかに知られていますが、創作だらけなのは勝者(あるいは敗者も含む)の情報操作と明治陸軍の恣意的な利用の産物でしょうか。
読了日:09月17日 著者:
ガニメデの優しい巨人 (創元SF文庫)の感想
「巨人の星」は「巨人の星」としか訳しようがないのですね。■さて、前作で解明しきれなかった謎がほぼ解明されますが、また新たな謎が生まれます。遺伝子のあたりまで踏み込んでくるとやや難解になってきたかなという感じはあります。■ユーモアを解するコンピュータ「ゾラック」はハインライン『月は無慈悲な夜の女王』の「マイク」を思い出しながら読んでいました。現在目覚ましい進化を続けている(ように見える)AIもいずれはこのようになるのでしょうか。■前作同様、細かな描写が登場人物たちの心理への深い共感を呼びます。そして次作へ。
読了日:09月17日 著者:ジェイムズ・P・ホーガン
星を継ぐもの (創元SF文庫)の感想
1977年、ちょうど40年前の作品。まさに「サイエンス」でありミステリでもあり、興味をお持ちの方にはお薦めしたい。書かれた時代から核や冷戦構造の影響は避けられないが、批判にもなっている。意味深なプロローグ(再読すると示唆に富む)のあとは、なかなか本題に入らずもっさりした(迂遠な)印象がある。随所に見られる風景描写もそれに輪をかけるが、これが謎を解く手掛かりになり、後半は一気に引き込まれる。ラストでタイトルの意味がわかると深い感動を覚えるだろう。良作だが、1点だけ、代謝リズムの部分はミスリードだと思う。
読了日:09月01日 著者:ジェイムズ・P・ホーガン
読書メーター
読んだ本の数:3
読んだページ数:432
ナイス数:47
![歴史群像 2017年 10 月号 [雑誌]](https://images-na.ssl-images-amazon.com/images/I/614bzwI9CIL._SL75_.jpg)
特集は「関ヶ原合戦の真実」、白峰旬を持ってきたか、というところ。過去に氏の『関ヶ原合戦の真実』(宮帯出版社)を読んでいたので、その追加・補強がされたとの印象です。大垣城を巡る家康の後詰決戦構想というのはさほど目新しい感じはせず。たまたま映画『関ヶ原』を観ようかと思っていましたが、特集の冒頭でわざわざ「国民的歴史作家」と書かなくてもよいものを(少なからぬ悪意を感じる)。「応仁の乱」よりはるかに知られていますが、創作だらけなのは勝者(あるいは敗者も含む)の情報操作と明治陸軍の恣意的な利用の産物でしょうか。
読了日:09月17日 著者:

「巨人の星」は「巨人の星」としか訳しようがないのですね。■さて、前作で解明しきれなかった謎がほぼ解明されますが、また新たな謎が生まれます。遺伝子のあたりまで踏み込んでくるとやや難解になってきたかなという感じはあります。■ユーモアを解するコンピュータ「ゾラック」はハインライン『月は無慈悲な夜の女王』の「マイク」を思い出しながら読んでいました。現在目覚ましい進化を続けている(ように見える)AIもいずれはこのようになるのでしょうか。■前作同様、細かな描写が登場人物たちの心理への深い共感を呼びます。そして次作へ。
読了日:09月17日 著者:ジェイムズ・P・ホーガン

1977年、ちょうど40年前の作品。まさに「サイエンス」でありミステリでもあり、興味をお持ちの方にはお薦めしたい。書かれた時代から核や冷戦構造の影響は避けられないが、批判にもなっている。意味深なプロローグ(再読すると示唆に富む)のあとは、なかなか本題に入らずもっさりした(迂遠な)印象がある。随所に見られる風景描写もそれに輪をかけるが、これが謎を解く手掛かりになり、後半は一気に引き込まれる。ラストでタイトルの意味がわかると深い感動を覚えるだろう。良作だが、1点だけ、代謝リズムの部分はミスリードだと思う。
読了日:09月01日 著者:ジェイムズ・P・ホーガン
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