兵は拙速なるを聞くも、いまだ巧久なるを睹ざるなり(『孫子』)
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5月の読書メーター
読んだ本の数:4
読んだページ数:1412
ナイス数:83
天災から日本史を読みなおす - 先人に学ぶ防災 (中公新書)の感想
16年。史料的制約もあって自然災害の中でも戦国時代以降の地震、富士山噴火、津波等が中心。日本列島はプレートの境目にあるだけに他国と比べても自然災害が多い。そのためインフラ(社会資本)が蓄積しづらく、例えば個人が住宅の取得・維持にかけるコストも高い(火災や大雨もある)。治水を主とした土木に関わる要素がかつての土建国家まで受け継がれたとすれば、現在も続く公共事業の無駄が国の利益を損なっているように思えてならない■悲惨な体験談も多いが「一度、避難したら絶対に物を取りに戻らない」などの教訓は胸に刻んでおきたい。
読了日:05月26日 著者:磯田 道史
変数人間 (ハヤカワ文庫SF)の感想
短篇傑作選第三弾。最初の「パーキー・パットの日々」は「中期を代表する傑作」とは思えず、そのほか前半は外れかとも思ったが(個人的に「不屈の蛙」は好き)、後半「スパイはだれだ」から本領発揮。「不適応者」「超能力世界」「ペイチェック」「変数人間」は中篇も含んで読み応え抜群。追われる緊張感が視覚的にも迫ってくる(「ペイチェック」は映画化されている)。オチも秀逸(「超能力世界」は自分には難しかったが)。コーヒーはともかく、近未来でも「タバコ」を吸いながら「新聞」は読むのだなあ(ギャップがほほえましい)
読了日:05月23日 著者:フィリップ・K. ディック
歴史群像 2019年 04 月号 [雑誌]の感想
図解武器と甲冑:被官や国衆が率いてきた軍勢を再編成した「備」の誕生■朝鮮戦争・前編:開戦に至るまでの経緯が詳しい。国連安保理でのソ連側の戦術■房総里見氏の興亡:出自は不詳、そして意外な最期■ジェット戦闘機講座:戦闘機の任務、空中戦の展開■再検証・奥羽越列藩同盟:錦旗の私的製造、討幕の偽勅など「明治維新が堂々たる開幕を経」ていないのは現代にもつながっている。新政権を樹てるに当たってその根本に「正義」がない。
読了日:05月11日 著者:
小さな黒い箱 (ディック短篇傑作選)の感想
17年、電子書籍版。主に宗教や政治を扱った作品を収める。60年代の作品が多い■表題作は『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』では謎が多かったマーサー教の話■「輪廻の車」:仏教なのかヒンドゥー教なのか、といってそれで終わらない■好きな作品は「聖なる争い」:スパコンなのに外部からのデータ入力は孔を開けたテープというアナログさがたまらない(それゆえに技術者であればテープを見て内容がわかる)■「傍観者」:いまなら「働き方改革派」と「長時間労働=美徳派」の争いを傍観する「仕事があるなら残業すればいいのでは」みたいな感じか(以下略)。何とも言えずもやっとした結末■「ジェイムズ・P・クロウ」:ある程度展開は予想できるが、それで終わらない■「水蜘蛛計画」「時間飛行士へのささやかな贈物」:世評ほどではないが、60~70年代の着想としては素晴らしい。
読了日:05月04日 著者:フィリップ・K・ディック
読書メーター
読んだ本の数:4
読んだページ数:1412
ナイス数:83

16年。史料的制約もあって自然災害の中でも戦国時代以降の地震、富士山噴火、津波等が中心。日本列島はプレートの境目にあるだけに他国と比べても自然災害が多い。そのためインフラ(社会資本)が蓄積しづらく、例えば個人が住宅の取得・維持にかけるコストも高い(火災や大雨もある)。治水を主とした土木に関わる要素がかつての土建国家まで受け継がれたとすれば、現在も続く公共事業の無駄が国の利益を損なっているように思えてならない■悲惨な体験談も多いが「一度、避難したら絶対に物を取りに戻らない」などの教訓は胸に刻んでおきたい。
読了日:05月26日 著者:磯田 道史

短篇傑作選第三弾。最初の「パーキー・パットの日々」は「中期を代表する傑作」とは思えず、そのほか前半は外れかとも思ったが(個人的に「不屈の蛙」は好き)、後半「スパイはだれだ」から本領発揮。「不適応者」「超能力世界」「ペイチェック」「変数人間」は中篇も含んで読み応え抜群。追われる緊張感が視覚的にも迫ってくる(「ペイチェック」は映画化されている)。オチも秀逸(「超能力世界」は自分には難しかったが)。コーヒーはともかく、近未来でも「タバコ」を吸いながら「新聞」は読むのだなあ(ギャップがほほえましい)
読了日:05月23日 著者:フィリップ・K. ディック
![歴史群像 2019年 04 月号 [雑誌]](https://images-na.ssl-images-amazon.com/images/I/51nVU5BBTRL._SL75_.jpg)
図解武器と甲冑:被官や国衆が率いてきた軍勢を再編成した「備」の誕生■朝鮮戦争・前編:開戦に至るまでの経緯が詳しい。国連安保理でのソ連側の戦術■房総里見氏の興亡:出自は不詳、そして意外な最期■ジェット戦闘機講座:戦闘機の任務、空中戦の展開■再検証・奥羽越列藩同盟:錦旗の私的製造、討幕の偽勅など「明治維新が堂々たる開幕を経」ていないのは現代にもつながっている。新政権を樹てるに当たってその根本に「正義」がない。
読了日:05月11日 著者:

17年、電子書籍版。主に宗教や政治を扱った作品を収める。60年代の作品が多い■表題作は『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』では謎が多かったマーサー教の話■「輪廻の車」:仏教なのかヒンドゥー教なのか、といってそれで終わらない■好きな作品は「聖なる争い」:スパコンなのに外部からのデータ入力は孔を開けたテープというアナログさがたまらない(それゆえに技術者であればテープを見て内容がわかる)■「傍観者」:いまなら「働き方改革派」と「長時間労働=美徳派」の争いを傍観する「仕事があるなら残業すればいいのでは」みたいな感じか(以下略)。何とも言えずもやっとした結末■「ジェイムズ・P・クロウ」:ある程度展開は予想できるが、それで終わらない■「水蜘蛛計画」「時間飛行士へのささやかな贈物」:世評ほどではないが、60~70年代の着想としては素晴らしい。
読了日:05月04日 著者:フィリップ・K・ディック
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