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兵は拙速なるを聞くも、いまだ巧久なるを睹ざるなり(『孫子』)
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7月の読書メーター
読んだ本の数:4
読んだページ数:1331
ナイス数:82

アンドロイドは電気羊の夢を見るか? (ハヤカワ文庫 SF (229))アンドロイドは電気羊の夢を見るか? (ハヤカワ文庫 SF (229))感想
古典SFの3作目。1968年の作品。1982年の映画『ブレードランナー』の原作。今年2017年には続編が公開され前作と同じくハリソン・フォードが主人公を演じた。死の灰が降る第三次世界大戦後の世界で、と世界設定に馴染むまで少し章を要すが、アンドロイド狩りが始まると「アクション・スリラー風」(訳者あとがき)な展開になってスピードアップ。タイトルが示すように、アンドロイドか人間か、といった単純な二元論ではなく、読後も「人間(らしさ)とは何か?」を考えさせられる。そう思うとラストは心が温かくなるシーン。
読了日:07月25日 著者:フィリップ・K・ディック
夏への扉 (ハヤカワ文庫SF)夏への扉 (ハヤカワ文庫SF)感想
古典SFの2作目。これは良作(私が書くまでもありませんが)。あらすじに「最愛の恋人に裏切られ、生命から二番目に大切な発明までだましとられた」とあるように、前半は主人公のダメっぷりにストレスがたまるのですが、冷凍睡眠から目覚めた以降の展開が面白く、後半一気に読ませてくれます。時間旅行物に見られるミステリ的な要素もあり、読後はすっきりです。次は予定通り『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』か、ハインラインつながりで『月は無慈悲な夜の女王』か。訳本のまどろっこしさは多少ありますが、さくさく読めるので次も楽しみ。
読了日:07月19日 著者:ロバート・A. ハインライン
幼年期の終り (ハヤカワ文庫 SF (341))幼年期の終り (ハヤカワ文庫 SF (341))感想
古典SFに挑戦の1作目。前後の作品や後世に与えた影響を見ればその偉大さがよりわかろうというものでしょうか。支配と被支配、過去と未来の逆転、時間や空間に対する射程の長さなど、1953年の発表とは驚きです。科学的描写のみならず心理描写も見事で、オーバーロードの視点から読み返してみるとまた新たな発見があると思います。ただ、ジェフリーが真水と塩水を誤った話(何の比喩?)、なぜ子どもたちがメタモルフォーゼするのか(進化?)、なぜ火柱が宙に上ると地球のエネルギーが吸収されるのか、SFとはわかっていても消化不良気味。

読了日:07月14日 著者:アーサー・C・クラーク
テレビが伝えない憲法の話 (PHP新書)テレビが伝えない憲法の話 (PHP新書)感想
2015年第1版第2刷。憲法には国内の最高法規、外交宣言、歴史物語の象徴といった三つの側面があり、憲法を議論するにはどの側面を扱うかでそれぞれ異なる心構えが必要。本書はここを押さえた上で、改憲派の主張を丁寧に批判していく。憲法9条、憲法96条(憲法改正の発議には各議院の総議員の「三分の二以上」の賛成が必要としているが、これを「過半数」に改正しようとする主張)、「押し付け憲法論」の本質、あとがきの「一票の格差」問題も含めて、「分かりやすい」素朴な疑問に飛びつくことの問題も戒める。いま読んでおきたい良書。
読了日:07月07日 著者:木村 草太

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