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兵は拙速なるを聞くも、いまだ巧久なるを睹ざるなり(『孫子』)
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『ゆかいな仏教』
橋爪大三郎、大澤真幸、サンガ新書、840円+税
★★★☆☆

前著の『ふしぎなキリスト教』『おどろきの中国』(後者は宮台真司氏との鼎談)ほど面白くはありませんし、読みやすくもありません。

日本人であれば仏教に対するイメージは少なからず持っているはずですが、それは本来の仏教からは相当変質してしまっていて、あえて先入観を持たずに本書を読んだ方がいいのかもしれません。

哲学的な方面にも記述の多くが割かれていると感じるので、途中で挫折してしまうかもしれません。第四章、第五章あたりは読み終わるまで時間がかかりました(完全には理解できていない)。

ただ、挫折する人でも、最後の「結び」だけは読んでほしいと思います。

なぜ、いま、仏教について考えるのか、知ろうとするのか。

本書からの言葉を借りますが、現代社会の基本的な仕組みは、ユーラシア大陸の西半分の文明(キリスト教だけではなく、イスラム教やユダヤ教も含むであろう)から出てきたアイデアや制度に主として基づいていますが、そこが行き詰まりを見せていると多くの人が自覚しています。仏教をまったく知らない人が(本書で語られてきた)仏教の発想を検討してみることには価値があるのではないか、何らかの示唆を与えてくれるのではないか、と思うのです。

さて、二つ前の投稿で対談集の難しさを書きましたが、文章に起こすことを考えると、口調が違っていた方が、読む方としては違いがわかりやすいというのはあるかもしれません。

文章の最初に誰が話したか名字が書いていますが、どちらも同じ口調で話し続けている文章を読んでいると、どちらが話しているのか曖昧になってきます。頭の中で音声化しているので、男性二人だとなおさらです(私だけでしょうか)。

最後に。キリスト教だけ、仏教だけを知っていても、キリスト教、あるいは仏教を語るには限界がありますが、お二人の宗教だけに限らない幅広い知識には毎回驚かされるばかりです。

これでキリスト教、中国共産党(これもある種の宗教)、仏教と来ましたので、次はイスラム教での対談をと期待してしまいます(大澤氏が経済誌で書かれているものを読んだ記憶はありますが)。




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