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兵は拙速なるを聞くも、いまだ巧久なるを睹ざるなり(『孫子』)
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6月の読書メーター
読んだ本の数:3
読んだページ数:1062
ナイス数:86

青列車の秘密 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)青列車の秘密 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)感想
1928年。ポアロ長編5作目。読了まで3週間と苦戦。“ブルートレイン”で登場人物たちが交錯するまでが長く、殺人と宝石盗難の事件が発生したあともなかなか話が進まない。後半の謎解きになると一気読みで、引っ掛かっていた疑問が解けて事件も解決に。とはいえ、犯人もトリックも一筋縄ではいかず、またもクリスティーのミスリードに乗せられたかと唸る(本当に読み手の感情をよく理解している)。それにしても、シリーズを読んでいて、動機がほぼ金か色恋沙汰というのはこの時代の特徴か。次の『邪悪の家』へ。本作もだがタイトルの訳が微妙。
読了日:06月24日 著者:アガサ・クリスティー

気象で見直す日本史の合戦 (歴史新書)気象で見直す日本史の合戦 (歴史新書)感想
要は史料の選択がおかしい。元寇の神風以外は立ち読みするまでもない。第1章は著書『桶狭間は晴れ、のち豪雨でしょう』の修正になるようだが、この程度なら書かなくてもよかったのでは。藤本正行などの先行研究は踏まえるべきかと(踏まえてこの内容か)。太田牛一『信長公記』を「織田家に都合の悪いことは書いておらず」と貶め、史料からは戦功も詳らかでない「簗田出羽守」や史料的価値が疑わしい『武功夜話』をベースに桶狭間を論じられても。そもそも桶狭間の戦いで信長は初めから義元の首を狙ったわけではない。結果からみて分析するよりも、まず最初から経緯を丹念に追っていくことで事実が浮かび上がる。第3章も乃至政彦・高橋陽介『天下分け目の関ヶ原の合戦はなかった』の読後では読む気が起きず。『当代記』の記述(原文の引用)は貴重だが、国立国会図書館のデジタルデータベースでも読める。
読了日:06月06日 著者:松嶋 憲昭

ビッグ4 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)ビッグ4 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)感想
1927年。『アクロイド殺し』に次ぐ4作目。霜月蒼は「同じ作家とは思えない」と酷評。訳者あとがきによれば、短篇をまとめて一貫した読み物にしたというが、短篇ごとの事件にトリックというほどのものはない。「ビッグ4」なる国際犯罪組織とポアロ、ヘイスティングズの知恵比べ、やったりやられたりの展開はスリラー小説としては面白いが、そもそもの「ビッグ4」が何をやっているのかわからないし(薄い)、頻繁に登場する得体の知れない中国人も効果的とは言い難い(当時はそのように映ったのだろう)。読書メーターでほかの方が「荒唐無稽な冒険小説」としたのはまったく同意見。冷戦時代が舞台ならそれなりのものになったのかもしれないが、まだ第二次世界大戦も始まっていない。駆け足で次の『青列車の秘密』へ。
読了日:06月03日 著者:アガサ・クリスティー

読書メーター

7月は公私ともに転機になりそうなので、頑張り過ぎない程度に気合を入れていきますか。
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