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兵は拙速なるを聞くも、いまだ巧久なるを睹ざるなり(『孫子』)
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海外旅行の航空機内で観た映画が、『清須会議』と『利休にたずねよ』です。先週の第37回日本アカデミー賞でもいくつかの賞を受賞していました。

『清須会議』:優秀監督賞、優秀脚本賞(三谷幸喜)など
『利休にたずねよ』:優秀作品賞、優秀主演男優賞(市川海老蔵)、優秀助演女優賞(中谷美紀)など

『清須会議』はエンターテインメント(娯楽)として観ると面白かったです。この場合、史実がどうとか細かいことを言うのは野暮というものです。ただ、歴史上の人物をモチーフ(題材)にしたエンターテインメントとして理解すると、人物関係や背景を知っていると、より楽しむことができると思います。個人的に、妻夫木聡演じる織田信雄(信長の二男)は秀逸で、ホントにこういう感じだったのではと笑わせてもらいました。

丹羽長秀や池田恒興を観ると、過大評価されている彼ら(恒興の子の輝政も)について書きたくなります(以前、少しだけ書いた)

『利休にたずねよ』は『火天の城』で知られる山本兼一の小説が原作となっています。その山本兼一は『利休にたずねよ』で直木賞を受賞していますが、2014年2月13日に57歳で死去しています(つい一か月前の話)。

映画化されるにあたって、千利休は市川海老蔵(山本のたっての希望であり、例の事件のあとも熱心にオファーし続けたという)、武野紹鴎は市川團十郎が演じることになりましたが、これが最後の父子共演となりました(歌舞伎ではなく映画だった)

とまあ、話題性はある映画で、たしかに海老蔵の演技はよかったと感じましたが、ストーリーは意味不明です。『清須会議』で史実がどうとか突っ込むのは野暮、と書きましたが、『利休にたずねよ』はさすがに荒唐無稽すぎます。物語のキーとなる女性の存在自体がダウトです。

さて、どちらにも信長が登場しますが、『清須会議』では「であるか」と言ったところにニヤリとしてしまいました。「であるか」は「そうであるか」の「そう」すら略した言葉で、信長が斎藤道三と会見した場面で出てくる台詞です(『信長公記』)。機内では英語の字幕が表示されていましたが、「Is this so?」だったかなあ、たしかにそうかなあと思いました。「清須会議」自体は「Kiyosu Conference」だったでしょうか。まあ、「meeting」じゃないですよね…。

『軍師官兵衛』でも、官兵衛の主君である小寺氏らが信長を前に挨拶の口上を述べていたところ、途中で「大儀」と言って去るところは「信長らしい」と思います。信長は極端に寡黙というか、言葉を惜しむところがあるというか、どちらも微妙に違うような感じがしますが、その一方で、秀吉の妻のことをどうたらこうたら言ったりする饒舌なところもあるわけで。

『利休にたずねよ』では、足利家に代々伝わる茶器には価値を認めず、利休が持参した黒塗りの箱に価値を見出す信長が登場します。もちろん、ただの黒塗りの箱ではなく、利休は蓋を裏返しにして水を張り、そこに月を映し出すのですが。安穏と地位にあぐらをかいているような者には厳しく、創意工夫をするような者には称賛を惜しまない、というのも信長の特徴かもしれません。そんなのは当たり前のこと、と思いながら、実践するのは難しいものです。

佐久間信盛のように、足掛け五年も大坂の石山本願寺を囲んでいながら成果がなかった怠慢を責められて追放される者もいますし、秀吉のように取り立てられる者もいます。草履取りや墨俣一夜城の話からしてそういう部分があります(これらの話は相当手垢がついていて、事実でもないのですが)。

「仕事のぼやき」のカテゴリーではありませんが、「できません」「わかりません」というのはダメですね。できない言い訳を聞きたいのではなくて、どうやったらできるのかを聞きたいわけで。もちろん、キャパはあるので、上司はキャパを超えないか見ている必要はありますし、部下も調べても尋ねてもどうしてもわからないものは正直に言った方がいいのですが。何事も限度というものはあります。
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