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兵は拙速なるを聞くも、いまだ巧久なるを睹ざるなり(『孫子』)
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アメリカとの「同盟」強化を図りつつ、ロシアとの関係改善を進めてきた安倍首相ですが、ここに来て、「股裂き」とも言われるような厳しい状態に陥っています。言うまでもなく、ウクライナ情勢における、欧米とロシアの対立が原因です。

さて、明日で東日本大震災から3年となりますが、今回は「土地を失う」という話。「故郷」「ふるさと」などと書くと、少し意味合いが異なってくるので、あえて「土地」と書きます。

もう3年かと思うと、短く感じますが、3年がたとうとしても遅々として復興が進まない要因が、津波と原発事故(放射能…正しくは放射線)です。

津波の危険があると思えば、同じところには住めませんし、自分だけが高台に住むわけにもいきません。高い土地を整地して人が住めるようにするのは簡単なことではありませんし、コミュニティが崩壊してしまっていては住む意義が失われてしまいます。

原発事故にしても、復興以前に、そもそも土地に入ることすらできません。よくまあ、国や電力会社が語る原発の「安全神話」を信じ込まされていたのだと思います。それなのに、トップが海外に原発を売り歩いている(トップセールしている)というのは理解不能です。

こうなると、戦争などで他国に占領されて戻ることができない、戻りたくても物理的に戻ることが極めて難しい、という状況と似てきます。第二次世界大戦で敗北して、海外に獲得した土地を喪失した日本ですが、戦後七十年近くが過ぎようとして、土地を失うという感覚が過去のものになろうとしている時に起こったのが、3年前の震災です。

(北方領土は北海道以外では関心が低いし、竹島や尖閣諸島も最近になって出て来たという感がある)

少し話を変えますが、戦前、「満蒙は日本の生命線」などと言われていました。今度は「原発が日本の生命線」と言われるようになるのでしょうか。ともかく、手に入れた海外領土を護ろうとして、あるいは拡げようとして、戦線を拡大して、ついにはそのほとんどを失った日本ですが、多くの血を流して手に入れたもの、というのは自分からはそう簡単に手放せないのです。

ここでようやくウクライナの話になりますが、現在注目されているクリミア半島も、ロシアにとっては、多くの血を流して手に入れた土地になります。これを書いている時点ではウクライナ内におけるクリミア自治共和国という位置づけになります。また、半島の南西部に位置するセヴァストポリはロシアがウクライナから租借しています。セヴァストポリには要塞、軍港があって、ロシアはここを拠点にオスマン帝国やナチス・ドイツと戦っています。黒海に面し、「不凍港」を求めるロシアには譲れない土地であることが理解できると思います。

クリミアでは、ソ連崩壊後にもウクライナからの独立を求める動きがありましたが、同時期にチェチェンの独立運動があり、ロシアはチェチェンの独立を認めなかったために、クリミアの独立も立ち消えとなった経緯があります。

なお、少数民族として「タタール(人)」の存在が報道されており、先住民族的な印象を持ちそうですが、タタール自体が移住してきた民族です(「タタール」は多義にわたる。またロシアとの関係では「タタールのくびき」なども参照されたい)。

いずれにせよ、ここで冷戦を再現、東西の戦争を始めるわけにいかないとすれば、双方が納得できるような落としどころを探る、ということになりますが、さて、どうなるでしょうか。

(クリミア自治共和国の住民投票でロシアへの編入が多数となっても、「法的」に効力が発生するわけではない)
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