兵は拙速なるを聞くも、いまだ巧久なるを睹ざるなり(『孫子』)
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2020年も月一くらいでしか更新しないかもしれませんが、よろしければお付き合いください。
読書メーターのまとめに追記しています。
12月の読書メーター
読んだ本の数:5
読んだページ数:1424
ナイス数:98
ONE PIECE 95 (ジャンプコミックス)の感想
帯に単巻初版300万部超え10年継続中、とあって驚き。海外も含めてトータルで億も超えるよね。
登場人物多過ぎ(巻頭の人物紹介は4頁に)、書き込み多過ぎ、過去の話も多いのでストーリーはさらに複雑になってついていけません……どこに向かうのか
読了日:12月29日 著者:尾田 栄一郎
人間以前 (ディック短篇傑作選)の感想
ディック短篇傑作選の第六弾。序盤のモダン・ファンタジー四篇は面白さがわからないが、中盤からはディックの本領発揮■「不法侵入者」映像でイメージすると気持ち悪い(これだけ文明が発達しているのに、この「宝玉」が何かわからない矛盾)■「宇宙の死者」短篇集に収められている作品としては結構長め。序盤からの展開は悪くないがオチはそれほどでもない■「父さんもどき」怖い。子どもの頃なら多くの人が想像した世界かもしれない■「新世代」子どもたちがロボットに篭絡されると戦わずして人間はロボットの支配下に入ってしまうのでは(かつ人間はそれと気づかずに)。人間そっくりのロボットが存在するのに、子どもが生化学で研究することなどあるのだろうか■「ナニー」現代のスマホ、アプリ(ゲーム)あたりに置き換えるとゾッとする話。「相手よりいいものを買いたくなるように」仕向ける要素はいろいろなところに少なからず入っている■「フォスター、おまえはもう死んでるぞ」自分も子どもの頃は冷戦がいつ本当の「熱戦」になるのか漠然とした不安を持ちながら過ごしていたので、主人公の行動は理解できるような気がする■「人間以前」“人間が魂を持つのは十二歳以上。したがって、十二歳未満の子供は中絶できる”世界。どこで分かつのかというのはこの分野に限らず非常に興味深いテーマ。単なる中絶反対の話ではない
読了日:12月21日 著者:フィリップ・K・ディック
新説 坂本龍馬 (インターナショナル新書)の感想
19年第一刷(初版)。ここでもまた「司馬史観」との戦いか。うんざり、といっても著者にではなく、「司馬史観」が司馬遼太郎の意図を超えたところで独り歩きしていることに、またその影響力にうんざり■龍馬だけを書くわけにはいかず周辺の幕末史にも触れざるを得ないのだが、説明不足のまま筆者の考えが示される箇所も多々あり途惑うことから、著者の他の著作にも目を通しておいた方がよいのかもしれない。そういう意味では初心者にはややハードルが高い■個人的には龍馬は薩摩のエージェント(代理人)だと思っているので、本書の内容にも概ね違和感はない(あえて「薩摩藩士坂本龍馬」と言わなくてもよいのでは)■「亀山社中」はなかった(近藤長次郎の評価が高いのはよい)■いわゆる「薩長同盟」で龍馬が果たした役割は通説とは異なる(小松帯刀も正しく評価されているのはよい。それにしても薩摩の重臣たちを相手に孤軍奮闘する木戸のタフさよ)■178頁、現代誤訳→現代語訳
読了日:12月21日 著者:町田 明広
折りたたみ北京 現代中国SFアンソロジー (新☆ハヤカワ・SF・シリーズ 5036)の感想
18年。Amazonで注文したが、届いてみて早川ってこんな装丁だったかと少し驚く。ビニルの透明カバーにやや茶色がかった小口。ページ全体も少し黄色い。一緒に買った劉慈欣『三体』は一気読みだったがこちらは苦戦。アンソロジーなので作家によって好き嫌いがあるかも■その中では『三体』からの抜粋(SFに秦王政(始皇帝)や荊軻が登場するなんて!)も含め劉慈欣が白眉の感■中国には古くから『捜神記』などの志怪小説があり、SFの中でもその手のジャンルとは相性がよいはずだが、個人的にファンタジーなSFはさほど好みではない■「沈黙都市」中国共産党がSFもびっくりなディストピアを造り上げてしまった皮肉■表題作は最初のふとした疑問が最後にあたたかい気持ちにさせて、話全体をうまくまとめている
読了日:12月15日 著者:郝 景芳
歴史群像 2019年 12 月号 [雑誌]の感想
ガダルカナル島での一木支隊の壊滅はNHKの番組でも観ており興味深く読んだ■九戸政実はゲーム(「信長の野望」シリーズ)、次いで高橋克彦『天を衝く』あたりから知られるようになった武将か。「最後の独立戦争」という感じがするし、南部氏からうまく独立した津軽為信と比べてみるのも面白いだろう■「三日月の丸くなるまで南部領」とはよく聞くが出典がよくわからない■吉川潔海軍少将を知る■清心尼:俗名の一つが子子子(ねねこ)とは諧謔があるというべきか■傭兵隊長ホークウッドの生涯:当時から毀誉褒貶の激しい人物。14世紀にイングランド人としての自覚がどれほどあったのか不明だが、晩年終身年金のまとめ払いを求めるなど財産整理を進め、帰国しようとしていた話は人間くさい。
読了日:12月01日 著者:
読書メーター
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12月の読書メーター
読んだ本の数:5
読んだページ数:1424
ナイス数:98

帯に単巻初版300万部超え10年継続中、とあって驚き。海外も含めてトータルで億も超えるよね。
登場人物多過ぎ(巻頭の人物紹介は4頁に)、書き込み多過ぎ、過去の話も多いのでストーリーはさらに複雑になってついていけません……どこに向かうのか
読了日:12月29日 著者:尾田 栄一郎

ディック短篇傑作選の第六弾。序盤のモダン・ファンタジー四篇は面白さがわからないが、中盤からはディックの本領発揮■「不法侵入者」映像でイメージすると気持ち悪い(これだけ文明が発達しているのに、この「宝玉」が何かわからない矛盾)■「宇宙の死者」短篇集に収められている作品としては結構長め。序盤からの展開は悪くないがオチはそれほどでもない■「父さんもどき」怖い。子どもの頃なら多くの人が想像した世界かもしれない■「新世代」子どもたちがロボットに篭絡されると戦わずして人間はロボットの支配下に入ってしまうのでは(かつ人間はそれと気づかずに)。人間そっくりのロボットが存在するのに、子どもが生化学で研究することなどあるのだろうか■「ナニー」現代のスマホ、アプリ(ゲーム)あたりに置き換えるとゾッとする話。「相手よりいいものを買いたくなるように」仕向ける要素はいろいろなところに少なからず入っている■「フォスター、おまえはもう死んでるぞ」自分も子どもの頃は冷戦がいつ本当の「熱戦」になるのか漠然とした不安を持ちながら過ごしていたので、主人公の行動は理解できるような気がする■「人間以前」“人間が魂を持つのは十二歳以上。したがって、十二歳未満の子供は中絶できる”世界。どこで分かつのかというのはこの分野に限らず非常に興味深いテーマ。単なる中絶反対の話ではない
読了日:12月21日 著者:フィリップ・K・ディック

19年第一刷(初版)。ここでもまた「司馬史観」との戦いか。うんざり、といっても著者にではなく、「司馬史観」が司馬遼太郎の意図を超えたところで独り歩きしていることに、またその影響力にうんざり■龍馬だけを書くわけにはいかず周辺の幕末史にも触れざるを得ないのだが、説明不足のまま筆者の考えが示される箇所も多々あり途惑うことから、著者の他の著作にも目を通しておいた方がよいのかもしれない。そういう意味では初心者にはややハードルが高い■個人的には龍馬は薩摩のエージェント(代理人)だと思っているので、本書の内容にも概ね違和感はない(あえて「薩摩藩士坂本龍馬」と言わなくてもよいのでは)■「亀山社中」はなかった(近藤長次郎の評価が高いのはよい)■いわゆる「薩長同盟」で龍馬が果たした役割は通説とは異なる(小松帯刀も正しく評価されているのはよい。それにしても薩摩の重臣たちを相手に孤軍奮闘する木戸のタフさよ)■178頁、現代誤訳→現代語訳
読了日:12月21日 著者:町田 明広

18年。Amazonで注文したが、届いてみて早川ってこんな装丁だったかと少し驚く。ビニルの透明カバーにやや茶色がかった小口。ページ全体も少し黄色い。一緒に買った劉慈欣『三体』は一気読みだったがこちらは苦戦。アンソロジーなので作家によって好き嫌いがあるかも■その中では『三体』からの抜粋(SFに秦王政(始皇帝)や荊軻が登場するなんて!)も含め劉慈欣が白眉の感■中国には古くから『捜神記』などの志怪小説があり、SFの中でもその手のジャンルとは相性がよいはずだが、個人的にファンタジーなSFはさほど好みではない■「沈黙都市」中国共産党がSFもびっくりなディストピアを造り上げてしまった皮肉■表題作は最初のふとした疑問が最後にあたたかい気持ちにさせて、話全体をうまくまとめている
読了日:12月15日 著者:郝 景芳
![歴史群像 2019年 12 月号 [雑誌]](https://m.media-amazon.com/images/I/61U9gHaKp0L._SL75_.jpg)
ガダルカナル島での一木支隊の壊滅はNHKの番組でも観ており興味深く読んだ■九戸政実はゲーム(「信長の野望」シリーズ)、次いで高橋克彦『天を衝く』あたりから知られるようになった武将か。「最後の独立戦争」という感じがするし、南部氏からうまく独立した津軽為信と比べてみるのも面白いだろう■「三日月の丸くなるまで南部領」とはよく聞くが出典がよくわからない■吉川潔海軍少将を知る■清心尼:俗名の一つが子子子(ねねこ)とは諧謔があるというべきか■傭兵隊長ホークウッドの生涯:当時から毀誉褒貶の激しい人物。14世紀にイングランド人としての自覚がどれほどあったのか不明だが、晩年終身年金のまとめ払いを求めるなど財産整理を進め、帰国しようとしていた話は人間くさい。
読了日:12月01日 著者:
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