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兵は拙速なるを聞くも、いまだ巧久なるを睹ざるなり(『孫子』)
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『希望の資本論 私たちは資本主義の限界にどう向き合うか』
池上彰×佐藤優、朝日新聞出版、1,100円+税

タイトルからわかるとおり、導入はピケティの『21世紀の資本』です。

旧ソ連をはじめとする社会主義(とされる体制を採った国々)が崩壊して、資本主義が勝利したと思ったら、マルクスが『資本論』で書いたような資本主義の矛盾が明らかになってきて、資本主義のメカニズムを理解するという視点で『資本論』を読んでみよう、というところでしょうか。

ただ、『資本論』の中身に深く突っ込んでいるわけではありません。前半から中盤の左の系譜について述べられている部分はまどろっこしいのですが、後半は読みやすくなります。

全般的に佐藤優氏が前のめりになっていて、池上彰氏は冷静に返しているという印象です。

時間がなければ「はじめに」と「おわりに」を読んで、あとは「IS」の話など、興味のある部分だけ読んでみてもいいのかもしれません。

「おわりに」に書かれている「労働者は労働力商品の対価である賃金よりも多くの価値を生産することができる」という部分は、個人的にはいまの会社組織で働きながら感じている矛盾なんですよね。一方で、「賃金を超える価値は、資本家の利潤になります」とはいえ、会社組織から離れて、いまよりも多くの価値を生産できるとは限りませんし。

迂闊に「反知性主義」という言葉は使いたくないのですが、『資本論』でなくてもいいので、自分の知識を総動員して難しい本と格闘してみる経験は大事だと思います。

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