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兵は拙速なるを聞くも、いまだ巧久なるを睹ざるなり(『孫子』)
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「戦国人物紹介」

「酒色にふけって」肥満していたという話を聞くが、酒はともかく、色(女性)の話は聞かない。家臣の妻を奪って謀叛を起こされた大友宗麟の方がひどい。母慶誾尼の存在もあったか。今山の戦いを見ても、この母親には頭が上がらなかったようである。慶誾尼は御家の安泰のためには重臣のところへ押し掛けて再婚したくらいだから、なかなかの女性だったのだろう。隆信の死後は直茂に国政を委任し、関ヶ原の戦いの直前に死去。龍造寺家の「断絶」を見ることはなかった。九十二歳。
 
047 龍造寺隆信 【りゅうぞうじたかのぶ】 1529-84 (後編)
 
今山の戦いから肥前統一、三者鼎立へ
翌1570年、宗麟の再征を受けて、六万と称する大軍に佐賀城を囲まれる。鍋島直茂や慶誾尼は夜襲を主張し、この意見に押された隆信は今山の大友親貞(宗麟の甥という)の陣に夜襲を敢行、親貞を討ち取って包囲軍を潰走させ、大友氏と有利な和議を結んだ。その後、形式的には大友氏の傘下にありながら独自に勢力を拡大し、大村純忠、有馬晴信を降して、1578年に肥前の統一を完成させた。今山の戦いでの逆転勝利が九州三強への出発点となったのである。同年、大友氏は耳川の戦いで島津氏に大敗、これを見た龍造寺氏は筑後から肥後北部、筑前南部、さらには豊前西部にまで進出した。ここに九州は東を大友氏、南を島津氏、そして西を龍造寺氏が並ぶ三者鼎立(ていりつ)の時代へと入っていくことになる。
 
急速に領国を拡大した隆信は「五州二島(壱岐、対馬)の太守」と呼ばれることになるが、支配下の領主たちは隆信に心服していたわけではなかった。領主たちの離反や抵抗に悩まされた隆信は彼らに対して厳しい態度で臨まざるを得なかった。残忍で酷薄、仁愛に欠けると評されるのもやむを得ないことであろう。家兼、隆信二人の再起に協力した蒲池鑑盛の子鎮並も島津方に従う姿勢を見せると、隆信に謀殺された。肥後の国人である赤星統家も隆信に実子を人質に送って服属していたが、去就を疑われると、十四歳の嫡男と八歳の娘を殺された。また、大友氏や大村氏、有馬氏などのキリシタン大名とは敵対したことから、宣教師のルイス・フロイスからは「キリシタン教会の最も激しい敵であり、はなはだ暴虐な君主」との評価も受けている。
 
あっけない最期
1584年、有馬晴信は島津氏の支援を得て、龍造寺氏から離反した。隆信は六万近い大軍で島原半島に攻め込んだ。このときの隆信の様子をフロイスの『日本史』ではカエサルに比して書いている。「その細心の注意と配慮と決断はユリウス・カエサルとて、それ以上の迅速さと知恵をもって企て得ないかに思われた」、カエサルといえば、「賽(さい)は投げられた」など、積極果断な印象で語られる人物である。
 
龍造寺軍と有馬・島津連合軍は沖田畷で戦うが、隘路に誘い込まれた龍造寺軍は苦戦、隆信は自ら攻め入るが、島津軍の反撃に遭う。馬に乗れないほど肥満していた隆信は輿に乗って指揮していたが、島津軍の勢いに押された担ぎ手は隆信を捨てて逃げてしまう。取り残された隆信は島津軍の川上左京亮忠堅に討たれた。享年五十六歳。同じく輿に乗って指揮したという立花道雪ならばこんなことはなかったであろう。なお、龍造寺側は隆信の首の受け取りを拒否したため、肥前国境の願行寺に葬られた(首の行方については諸説ある)
 
「戦国IXA」では2012年11月6日をもって排出停止(くじを引いても出てこない)となった。手に入れたければ、取引で出品されているカードから手に入れるしかない。また、「龍造寺」の名のつく武将は隆信しか登場しておらず、一時的に龍造寺の名は消えることになった。
 
最初にクマの話をしたが、単に強い、というだけではなく、残忍や狡猾といったイメージが付きまとう。鍋島氏が自身の支配を正当化するために、隆信のことをあえて悪く書いたということは少なからずあると思われるが、最期は身から出たさび、という感は否めない。
 
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