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兵は拙速なるを聞くも、いまだ巧久なるを睹ざるなり(『孫子』)
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銀行じゃなくても決算書を見ることはあって、提出されたものを見ながら、この会社は支払能力があるのか、手形や掛け売り(10日締めの末払いなど、すぐに支払いがないことはよくある)でも認めるか、現金決済じゃなきゃダメか、まあ、審査みたいなことをするわけです。

決算書の9割以上は粉飾だと思っていますが(悪意かどうかはともかく)、決算書なんてものは、決算日のその時点での数字を表しているに過ぎず、次の日になればもうその数字は変わっているわけです。決算処理をして、税務申告をして、決算書が出来上がってくるまでには、普通は3ヶ月くらいかかります。決算書の数字なんて、3ヶ月前の数字を見ていることになります。

ひどいのは建設関係で、お役所の工事を受注するには経審(経営事項審査)なんてものがありまして、決算書の数字がよくないと受注させてもらえません。なので、ほとんど粉飾しています。建設関係の決算書はほとんど粉飾です。大事なことなので、二度言いました。損益計算書の最後を見るとちょこっとだけ黒字にしているなんてのはざらです。売上債権(受取手形や売掛金)や棚卸資産(商品など)に不良化しているものがないか、などなど確認するところはたくさんあるのですが、巧妙に粉飾しているものもあるので、気を付けないとだまされます。

で、まあ、今日は社長さんから決算書をもらったんですが、これがよく見ると借入が前期に比べて異常に少ない。急に返済ができるわけではないので、借入の過少申告なわけです。社長さんに言ったら(この時点ではまだ怒っていない)、次は会計事務所から決算書が来たのですが(最初の決算書についてはよくわからない言い訳をしていた)、売上が6分の1になっていて、費用関係も以上に少ない。会計士に確認してみると、月数を間違えたという話。三回目に決算書をもらうと、これが前期粉飾が判明したのに、その粉飾した決算書の続きが来るという始末。怒るのを通り越してあきれて笑っちゃうしかない。正しくないものを見て何を判断せよというのでしょうか。

地域的なものという人もいますが、(決算書を)ごまかす、あるいはよく見せる、ということに関して悪意がない(かのように見える)のは困りものですね。赤字を黒字に見せるのも経営判断なのでしょうが、ツケはあとから回ってきます。取り返しがつかないようなのが。
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無題
まあ建設関係はねぇ・・・
赤字は赤字でしかないのでその場しのぎにしかならないですよね
てかここでそんなこと書いて大丈夫ですか?
ムール 2012/04/10(Tue)23:38 編集
無題
大丈夫です。

にしても、こういう場合は社長も会計士もどっちもどっちだから、怒るわけにもいかないんだよねえ。両方呼びつけて怒るというのはありますが。
Rakuna 2012/04/11(Wed)13:28 編集
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