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兵は拙速なるを聞くも、いまだ巧久なるを睹ざるなり(『孫子』)
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サッカーの新生日本代表がスタートしました。

得点を決めた香川真司(独・ドルトムント)いいですね。まだ21歳。次もその次も楽しみです。

ゴール前で、DF二人を置き去りにして突破するシーンあたりは高いセンスを感じさせました。

新監督が指揮をしなかった初戦が、新生日本代表の一番いい試合だったと言われないようにw

次は火曜日。松井大輔が見られないのが残念。


■コラム 名前の話2 官職を自称する人々

原美濃守(虎胤)、馬場美濃守(信房)、秋山伯耆守(信友)などなど、旧国名に守(かみ)を付けた名前をよく聞きますが、これってなに?

奈良時代や平安時代の律令制度(律は刑法、令は行政法・民法)に由来しているのですが、律令制度ではお役所の役職が四階級に分かれていました。順番に「かみ」「すけ」「じょう」「さかん」と言いますが、お役所ごとにあてはめる漢字が異なっていました。 このうち、各国に置かれた地方官を国司(こくし)と言って、国司の場合は順番に「守」「介」「掾」「目」という表記がされていました。

中央の八省(中務、式部、治部、民部、兵部、刑部、大蔵、宮内)では、「卿」「輔」「丞」「録」で、石田治部少輔(じぶしょうゆう、三成)とか大谷刑部少輔(ぎょうぶしょうゆう、吉継)、本多中務大輔(なかつかさたゆう、忠勝)などと言いますよね。

八省の下に寮というのがあって、寮の役職は「頭」「助」「允」「属」となっています。『忠臣蔵』の浅野内匠頭(たくみのかみ)などはこれです。この人の名前は長矩(ながのり)ですが、名前よりも「内匠頭」の役職名の方が有名ですよね。前回書いたとおり、名前はあまり呼ばないのがルールです。

さて、主君の浅野内匠頭の方は正式に(朝廷から)任命される形を取っているのですが、家臣の大石内蔵助(くらのすけ)の内蔵助は自称であり、大石家の代々の通称です。名前は良雄(よしお、あるいはよしたか)。大石良雄の場合は正式に任命されたわけではないんですね。戦国時代も江戸時代も、大名かその重臣クラスでないと、正式に任命されることはありません(通常は官位相当の制といって、従五位下と内匠頭など、官職に相当する位階とセットで任じられる)

では、原美濃守や馬場美濃守、秋山伯耆守などというのは、正式に任じられていたかというとそんなことはなく、これも自称なんですね。一方で彼らのお館様である武田信玄は正式に従五位下、大膳大夫という官位に任じられています。

大名はともかく、家臣が任官されるというのは珍しく、『信長公記』にも信長の家臣が任官されたことが記事になっています。このときは姓を賜った者もおり、「(松井)友閑は宮内卿法印、(武井)夕庵は二位法印、明智十兵衛は惟任(これとう)日向守になされ、簗田左衛門太郎は別喜右近に仰付けられ、丹羽五郎左衛門は惟住(これずみ)に」されたと書かれています。

秀吉の場合は、みずからが朝廷の官職である関白となり、その政権は朝廷の仕組みを利用する形を取りましたから、秀吉の家臣や大名、大名の家臣の多くが正式に任官されることとなりました(この時代まで律令制度が残っていたわけではなく、律令制度の中の官位制度の名残にすぎない)
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無題
本多正信がサドの守って呼ばれてましたね!(違)

amasiz 2010/09/05(Sun)14:19 編集
うまいwww
本多佐渡守は正式な任官ねw(1586年)

藤堂高虎も和泉守の前はサドの守だったらしいけど、年代が合わないのよねw

子孫が代々佐渡守だったから、さかのぼってつじつまを合わせたのか・・・。
Rakuna 2010/09/05(Sun)16:00 編集
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