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兵は拙速なるを聞くも、いまだ巧久なるを睹ざるなり(『孫子』)
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「戦国人物紹介」

その強さから「皇帝」と呼ばれたシンボリルドルフは「ル」の音が発音しづらく、実況者泣かせの馬名だったのですが(実況が噛んでいるシーンがいくつかある)、「こばやかわたかかげ」もキーボードを打つ人を泣かせる読みなんですよね。「たかかげ」と「か」が連続するところが難しい(そうでもない?)

誰もが認める良将ですが、事績を書こうとすると実は難しい人物です。毛利家では水軍を率いて主に山陽方面で活躍、とありますが、具体的な戦いが挙がるわけではありません(決戦を強いずに勢力を拡げたというのはある意味名将かもしれない)。五大老の一人にも挙げられますが、中央でどのように政治に携わったのかはよくわかりません。小早川秀秋を養子に迎えたことも含めて、彼の存命時は毛利家が維持発展できたということが有能さの証明なのかもしれません。

041 小早川隆景 【こばやかわたかかげ】 1533-97 後編

中務大輔、左衛門佐、従五位下、従四位下侍従、正四位下参議、従三位権中納言。

1571年、元就が死去する。元就は輝元に「毛利家は天下を望んではならない」と遺言するが、天下統一を目指す織田家との戦いが激化していく。毛利両川は輝元を補佐するが、実際に輝元の養育を任されたのは隆景である。家臣の前でなければ時に折檻までして厳しくしつけたという。隆景は水軍を率いて主に山陽方面の軍事を担当するとともに、内政、および外交も担当し、八面六臂の活躍を見せる。

織田家との戦いは次第に劣勢となり、1582年には清水宗治がこもる備中高松城が包囲される。輝元、元春、隆景は毛利軍三万を率いて救援に赴くが、秀吉には信長の本隊が援軍に来る予定であり、敗北は必至であった。安国寺恵瓊を通じて秀吉との和睦交渉を行うが、そこに本能寺の変が起こる。秀吉は信長の死を秘して毛利家と和睦を結び、東へ向かった(中国大返し)。信長の死を知った毛利家中では吉川元春が追撃を主張したが、隆景は「和睦の誓紙の血が乾かないうちに追撃するのは不義である」として反対、結局、毛利家は秀吉を追撃しなかった(秀吉が高松城を囲っていた堤防を決壊させたために追撃ができなかったともいう)。

その後は、秀吉と距離を置く兄元春とは対照的に、積極的に秀吉に協力。1585年の四国攻めの戦功で伊予を与えられている。九州攻めにも従軍し、筑前・筑後両国と肥前一郡半を与えられて三十七万石余を領した。しかし、この九州攻めで兄元春、その子元長を失い、以後は隆景一人で輝元を、毛利家を支えていくことになる。元就同様、輝元の器量に不安を感じていた隆景は壮年を超えても第一線に出続ける。

1590年の小田原攻めに参加し、1592年には朝鮮に出陣、翌年の碧蹄館(へきていかん、ペクチェガン)の戦いでは立花宗茂らとともに明軍と戦い、これを撃破している。1594年には秀吉の養子である羽柴秀俊を養子として迎えている(のちの小早川秀秋)。これは当時、輝元に子がなく、秀吉が養子を送り込んで毛利家乗っ取りをたくらんでいたのを、同じく子がなかった隆景が秀吉に頼みこんで養子にもらいうけたとされる。小早川家を犠牲にして毛利の本家を救ったのである。翌年、家督を譲って隠居し、安芸三原城に移った。しかし、1597年、家臣と談話中に突然嘔吐してそのまま死去。数時間前まで執務していたというから死因は卒中と言われる。

隆景の家臣は毛利家に帰参し、小早川家は秀吉から附属された家臣たちが秀秋を補佐した。毛利両川はここに一方を失い、元春の三男である広家に毛利家の命運が託されることになった。



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小早川氏の家紋は左三つ巴。次のアレの代で断絶してしまうが、明治になって再興する。
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