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兵は拙速なるを聞くも、いまだ巧久なるを睹ざるなり(『孫子』)
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「戦国人物紹介」

毛利三兄弟の中では、もっとも父元就に似ると言われたのが、三男の隆景である。特に父譲りの知略を発揮して毛利家の維持存続に貢献した。自分を黒田官兵衛(孝高、如水)と比較して「貴殿(官兵衛)は才智があるので即断即決するが、思慮を尽くしていないから後悔することもあるだろう。自分はすぐには決断できないが、その分思慮を尽くすので、後悔することは少ない」と言ったという。

彼については絶賛してもいいのだが、唯一惜しまれるのは命が長く続かなかった点である。この人が存命であれば、関ヶ原の戦いもまた異なった経過をたどったであろうが、いずれにせよ、毛利家を過たずに導いたであろうことは容易に想像できる。

関ヶ原の戦いで、毛利輝元は西軍の総大将に祭り上げられて、家康と敵対することになり、吉川広家は家康と密約を結んで本戦では非戦を貫いた。小早川秀秋は西軍に従うそぶりを見せながら本戦で東軍に寝返って、東軍大勝利のきっかけを作った。吉川、小早川はかつて毛利両川と謳われたが当時はこの様である。すでに小早川秀秋は毛利家とは別の家になっており、戦後加増を受けたが、毛利家は大減封となった。

本能寺の変がなければ、1582年に毛利家は滅んでいた。その本能寺の変が起こって、撤退する秀吉軍を毛利家は追撃しようとするが、いったん結んだ和議を破るのは義にもとるとして留めたのが小早川隆景である。彼の親秀吉路線は秀吉を活かし、毛利家をも活かした。しかし、秀吉に非協力的な兄元春との関係は微妙なものとなり、毛利両川の不和は毛利家の将来に暗い影を落とした。

とはいえ、文武に優れた良将とはまさに彼のような人物のことで、毛利家の家臣でありながら、毛利輝元とともに五大老に選ばれている。『名将言行録』では、直江兼続、堀直政とともに、「天下の仕置もしかねまじきものなり(し損じることはない)」と、天下三陪臣(ばいしん、家臣の家臣、の意味)の一人に挙げられている。隆景が死去すると、秀吉の側近が「よき中国の蓋(ふた)でありました、惜しいことであります」と言うと、それを聞いた秀吉は「そんな小さなことではない、日本の蓋としても余るものであった」と言ったという。親交のあった黒田官兵衛も「隆景が亡くなって日本に賢人は絶えた」と嘆いた。

041 小早川隆景 【こばやかわたかかげ】 1533-97 前編

徳寿丸、又四郎。元就の三男で母は妙玖。兄隆元、吉川元春とは母を同じくする三兄弟である。名乗りの「隆」は大内義隆から、「景」は(竹原)小早川氏の通字である(となれば、元服する前に大内義隆の意を受けて、小早川氏に養子に送られたということである)。

初め安芸の豪族である竹原小早川興景の養子となる。小早川氏は頼朝に仕えた土肥実平の子孫で土肥実平は桓武平氏良文流とされている。その後、小早川氏の本家である沼田小早川家の当主繁平が若年で、また盲目であったため、大内義隆は尼子氏の攻勢に耐えられるか心配し、元就と共謀して繁平を拘禁し、繁平の妹と隆景をめあわせて、沼田・竹原小早川氏を合体させた(1551年)。なお、その後、反対派は粛清されたが、繁平自身は出家し、禅に帰依して教真寺に入り、1574年に三十余歳で天寿を全うしている。

以後、小早川氏は毛利家臣に組み込まれ、水軍を率いて活躍することになる。1555年の厳島の戦いにおいては、村上水軍とともに、陶軍を厳島にくぎ付けにし、毛利家の勝利に貢献している。北九州においては大友軍と激戦を重ね、立花道雪とも互角に渡り合っている。また尼子氏の月山富田城包囲戦にも参加。兄隆元の死後は遺児輝元を元春とともに補佐した。



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本質的には「文」の人であったと思われるが、「武」の方もまずくない。
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