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兵は拙速なるを聞くも、いまだ巧久なるを睹ざるなり(『孫子』)
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歴史小説は学生の時代はよく読んでいましたが、

あれはあくまでフィクションなので。

いまは研究書の類の新書をよく読みます。


『長篠の戦い 信長の勝因・勝頼の敗因』 藤本正行 洋泉社歴史新書y 840円+税

「信長の戦争」三部作の第二弾。

1993年の『信長の戦国軍事学』は衝撃でしたね。あの頃はネットもなくて、手に入れること自体苦労しました。いまは講談社学術文庫で『信長の戦争『信長公記』に見る戦国軍事学』として、改題、文庫化されているので、手に入りやすいでしょう。おすすめ。

天才信長が新兵器の鉄砲を大量動員して、凡将の勝頼が率いる武田騎馬隊を完膚なきまでに叩きのめしたというのは完全な誤解。信長という人は桶狭間できわどい勝ち方をしていますが、それ以外はほとんど物量に物を言わせて、戦略的にすでに勝ちを得るという戦い方をする人で、非常に常識的・合理的な人間です。長篠の勝因は鉄砲だけではありません(さすがに最近は「鉄砲三千丁の三段撃ち」を言う人はいなくなったが)

『本能寺の変 信長の油断・光秀の殺意』 藤本正行 洋泉社歴史新書y 860円+税

「信長の戦争」三部作の完結編。

世の謀略説を唱える人はいい加減に妄説をひっこめた方がいいと思うのですが、『信長は謀略で殺されたのか』(共著)で同氏が謀略説を完全に否定しても、いまだ謀略説は消えません。1582年6月2日に、信長がほとんど兵を率いずに京にいたこと(軍事的空白)、そしてその近くで光秀が軍勢を組織できたことは「偶然の産物」で、誰かが狙って仕組んだことではありません。それを狙って謀略を組むこと自体が不可能なことなのです。

『上杉謙信の夢と野望 幻の「室町幕府再興」計画の全貌』 乃至政彦 洋泉社歴史新書y 890円+税

『関東戦国史と御館の乱-上杉景虎・敗北の歴史的意味とは?』(共著)が面白かったので。

が、信長や信玄も含めて、彼らが室町幕府を再興しようと思っていたというのは疑問。謙信はやや真面目に考えていた節はあるかもしれませんが。


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