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兵は拙速なるを聞くも、いまだ巧久なるを睹ざるなり(『孫子』)
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追っかけ「八重の桜」

ようやく、前々回放送まで見終わりました。

補足

「春日局を出した稲葉氏も…」


鳥羽伏見の戦いで、山城の淀藩は新政府軍に内応、旧幕府軍が淀城へ入城することを拒否します。これにより、前線の拠点を失った旧幕府軍は大きな打撃を受けます。「春日局を出した稲葉氏も新政府軍に寝返ったか」と言われましたが、藩主の稲葉正邦は老中として江戸におり、淀城には不在でした。

稲葉氏は初代正成が稲葉一鉄の子重通の養女福(春日局)の婿となって稲葉氏を称したことに始まります。福の父は明智光秀の家臣であった斎藤利三です。最近では、本能寺の変の実質的な首謀者ともされています。



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「美濃三人衆」の中で江戸時代も大名として生き残ったのは稲葉氏だけである。


藩祖の薫陶

さらに、その後の戦いでは、京の山崎を守備していた伊勢の津藩が新政府軍に内応し、旧幕府軍に発砲を始めます。「さすがは藤堂氏、藩祖の薫陶が行き届いている」と、旧幕府軍も呆然としたと言いますが、津藩は藤堂氏。藩祖は藤堂高虎です。

戦国時代なら、「七度主君を変えねば武士ではない」という言葉(高虎自身が言ったかは不明)もわからないではありませんが、江戸時代になると、「忠臣は二君に事えず(仕えず)」という意識(この言葉自体は『史記』に見える言葉)が高まりました。「藩祖の薫陶が~」という江戸時代を経ての認識が、高虎に対するマイナスの評価に反映されてしまったのかという印象はあります。ちなみに、この津藩の行動も藩主はかかわっていません。



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この人についてはいずれ「戦国人物紹介」でたっぷりと。


江戸城無血開城

西郷と交渉して、江戸城無血開城を成し遂げた勝海舟。江戸は野犬の多い町でしたが、勝は子供の頃に犬に睾丸を噛まれて、生死の境をさまよっています(一説に70日間)。父の小吉は水ごり(神社や仏閣で冷水をかぶること)をして息子の無事を祈ったと言います。豪快な江戸っ子のイメージがある勝海舟ですが、その後も犬は苦手だったようです。のち、海舟の子である小鹿には男子がいなかったため、旧主であった徳川慶喜の十男精(くわし)を勝家の養子に迎えています。

西郷との談判が成らなければ、江戸を火の海にする(ロシアのような焦土作戦と言ったところか)と言ったのは脅しではなく、新門辰五郎らに依頼して実際に準備をしていたと言います。有名な談判の図ですが、西郷は脇差だけで、勝は左側に刀を置いているんですよね。西郷は子供の頃の怪我(右腕の神経を切っている)で刀が握れなかったのですが、勝は直心影流の免許皆伝の腕前。別に、勝が西郷を斬りに来たというわけではありませんが。勝の意気込みのほどが感じられます。

もちろん、西郷と勝だけの談判で江戸城の無血開城が決まったわけではありません。薩摩出身で十三代将軍家定の正室天璋院(篤姫)らの嘆願(嘆願はほとんど無視されたという説もある)、海外からの圧力などもあったようです。

まあ、大言壮語の勝先生なので、談判の件にしても、どこまでが本当かというのはよくわかりませんが。


振り上げた拳

前にも書きましたし、ドラマ中で西郷さんも言っていましたが、徳川慶喜が恭順して、軍を率いて東に向かった新政府軍としては、「振り上げた拳をどこに下ろすか」というのが問題となりました。旧幕府方の軍事力を一掃するには(旧幕府方が武装解除をして降伏する以外は)戦って、勝利するしかありません。容保の首を求める主戦派も少なくありませんでした。

一方、旧幕府方としても、一戦交えなければ降伏などできないと考える人々もおり、この人々が会津に向かうことになりました。こうして、望むと望まないとにかかわらず、会津は戦争に巻き込まれていくことになります。江戸城無血開城を果たした勝もこのことは想定していたと思います。

この「主戦派に引きずられる」という構図は、大坂夏の陣における豊臣方に近いものを感じますね。

長くなってきたので、今回はここまでとします。
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