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兵は拙速なるを聞くも、いまだ巧久なるを睹ざるなり(『孫子』)
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「戦国人物紹介」

■武田信玄6 風林火山

中国の兵法書、『孫子』から引用した「風林火山」の軍旗は有名である。

「疾如風 徐如林 侵掠如火 不動如山」
(はやきこと風のごとし、しずかなること林のごとし、侵掠(侵略)すること火のごとし、動かざること山のごとし)

しかし、この軍旗を内藤、馬場、高坂らの家臣に見せたとき、彼らの反応はいまひとつであった。

「わたくし無学でございまして」馬場が言った。「書いてある言葉の意味もわからず、殿がどういうおつもりでこの言葉をお選びになったかも存じません。ですからそんなわたくしがこんなことを申すのは恐縮ですが、戦を風に例えるのはいかがなものでしょうか。風というのは、初めは勢いが強くでも、やがて衰えるものでございます。縁起が悪くはございませんか」

「その通りだ」信玄はこたえた。「しかしその旗は全軍の先頭を行くのだから、行軍の速度が速いほどよい。風がやがて衰えるように、先鋒の速度も落ちることがあろうが、案じることはない。そのときにはすでにわしが本隊を率いて、その地点に到達しているからだ」

馬場は深くうなずいた。「なるほど、さようでございましたか。合戦は最初に敗れても、その次に勝てばよい。それが本当の勝利だと申しますが、さすがに殿はそのへんの呼吸をよく心得ておられます」

個々の武将が強くても、まとまって力を発揮できなければ意味がない。家臣に戦術を浸透させるため、信玄と家臣たちは頻繁に対話したと思われる。信玄の軍略の巧みさがうかがえる逸話である(『武将感状記』)
 
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